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2013/05/04

■自民党憲法改正草案による亡国への道:その5

日本国憲法の3原則として、「国民主権主義」「平和主義」「基本的人権尊重主義」があげられています。
これは中学校で学んだことです。
おそらく最近も変わっていないでしょう。
自民党の憲法改正草案は、この3つの原則に関する見直しを含んでいます。
もちろん「前進の方向」ではなく「後退の方向」での見直しです。

基本的人権に関して見てみましょう。
現行憲法では、12条や13条の前に、「基本的人権の享有」として11条が置かれています。

第11条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。
これが次のように変更されています。
第11条 国民は、全ての基本的人権を享有する。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利である。
ほとんど変わっていないように見えますが、「享有を妨げられない」が「享有する」に、「権利として、現在及び将来の国民に与へられる」が「権利である」に変わっています。
瑣末な違いのように見えて、そこには深い意味が含まれているように思います。
つまり、一般論を語るだけにとどめて、それを妨げるとか守るという姿勢は削除されています。

この条項は、現行憲法では第97条につながっていきます。

第97条 この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。
自民党草案では、この条文は削除されています。
確かに、条文としてあまりふさわしい条文ではないかもしれませんが、この条文は基本的人権を制限するような後戻りは、もうしないという、現行憲法の根本思想の一つでもあります。
権力が、国民個人の基本的人権をおろそかにすることは、よくあることです。
だからこそ、屋上屋を重ねるような形で、この条文が加えられているのです。
しかも、その位置は、「第10章 最高法規」の冒頭です。
この条文の後に、「この憲法は、国の最高法規であって、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない」という第98条があるのです。

こうした改正草案から、何が見えてくるでしょうか。
私には間違いなく見えてくる未来があるのですが。

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