■みんなで汗をかいて働く豊かさ
昨日、栃木県の足利にある、こころみ学園に行ってきました。
重い知的障害を持つ人たちが共同生活しながら、ぶどうを育て、今では有名になったココファームをやっているところです。
50年以上の歴史があるところです。
事務局長の佐井さんからお話をお伺いし、施設を見せてもらい、最後にレストランで食事をしてきました。
前から気になっていたところですが、やはり現地に行って、知りえたことがたくさんありました。
一番驚いたのは、ブドウ畑が急勾配な山腹にあることでした。
前から写真でも見ていましたし、話にも聞いていました。
急なところは38度だとも知っていました。
しかし、いざそこに行ってみると、やはり驚きました。
上まで登るだけでも私には無理そうです。
どうしてこんな急勾配な斜面にしたのかと質問したら、佐井さんは、厳しさの中で汗をかいて働くことも大事なことですからと言われてしまいました。
こころみ学園の方針は、汗をかいて働く、そして、みんな家族のように一緒に暮らすということなのです。
創立者の川田さんは、貧乏でもいいから、昔のようにみんなで汗を流していこうと言っていたそうです。
もうひとつ印象的だったのは、みんなそれぞれに自分でできることを見つけて、自分のできる範囲でがんばっている。そのできることを繰り返し繰り返しやっていると、それに関しては誰にも負けないプロになる、という佐井さんのお話でした。
たとえば、草むしりのプロ、石ころ探しのプロ。
石ころ探しのプロとい捉え方に、豊かさを感じました。
ほかにも学ばせてもらったことはたくさんあります。
食事の後、ぶどう畑を見ながら30分ほど、いろいろと考えました。
みんなで汗をかいて働く。
それこそが働くことの原点です。
畑や瓶詰めなどを手作業でしているみなさんを見ながら、今の私たちの社会は逆転しているような気がしてきました。
そういえば、瓶詰めのところに外国人が一人混じっていました。
技術指導ですか、と佐井さんに質問したら、あの人は世界各地のワイナリーを勉強で回っているフランス人なのだが、2年ほど前にやってきて、ここに定着してしまったと教えてくれました。
障害をもつ人たちと一緒に、ゆっくりしたリズムで、違和感なくなじんでいました。
豊かな時間を過ごしているのだろうなと思いました。
私ももっと、人生を豊かにしなければいけません。
そうしないと社会そのものが貧しくなっていくような気がします。
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