■節子への挽歌2105:「スパイ大作戦」
先日、何もやる気が起きずに、ぼんやりとテレビを見ていたら、衛星放送で昔の「スパイ大作戦」を放映していました。
節子はテレビドラマがあまり好きではありませんでしたが、なぜかこの番組だけは、2人で見ていた記憶があります。
そのことを思い出して、ついつい見てしまいましたが、全く面白くありません。
なぜ当時は、面白いと感じたのでしょうか。
それにしても、あまりにテンポが遅く、仕掛けもお粗末で、迫力もありません。
おそらく昨今の作品に私の目や感覚がならされてしまっているのでしょう。
このドラマを映画化したトム・クルーズの「ミッション・インポッシブル」は4作も出来ていますが、こちらはあまりに馬鹿げていて、リアリティがないのですが、どうも私の感覚はむしろ最近の作品がデフォルトになっているのでしょう。
見ていて物足りなく、早送りしたい気分でした。
しかし、ちょっと視点を変えると、昔のほうが人間らしさや気分のよさを感じます。
節子は、西部劇や戦争映画は嫌いでした。
人をむやみやたらに殺傷する場面が、節子の好みではなかったのです。
たしかにそういう視点で見ると、ドラマ「スパイ大作戦」は人を殺傷する場面はありません。
それに比べて、最近のドラマや映画は、人が物のように殺傷されます。
節子なら拒否反応を示すでしょう。
節子は人の殺傷はもちろん、物を粗末にする場面さえも嫌っていました。
「スパイ大作戦」を何となく見ながら、そんなことも思い出しました。
節子は、ある意味では「良い時代」を生きたのです。
その前も、そしてこれからも、たぶん節子が生きた時代に比べれば、人間が粗末に扱われる時代かもしれません。
それを体験しないですんだことは、せめてもの慰めです。
それにしても「スパイ大作戦」は退屈です。
昔あんなに好きだったことが今となっては理解できません。
人の感覚は変わるものです。
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