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2013/07/09

■絶望的な無知無関心と選択的忘却能力

数日前の「エジプトで何が起こっているのか」の中で、紹介しましたが、藤永茂さんの『「闇の奥」の闇』(三交社)という本は、私には衝撃的でした。
藤永さんは、「闇の奥」という本の評価に関する論考を進めた結果、「そこに見えるものは、私たちの絶望的な無知無関心と、私たちが歴史的事実を選択的に忘却する恐るべき能力である」と書いています。
藤永さんの嘆きは、まさに昨今の日本で、繰り返されていることです。
フクシマ原発事故は、発生からいまだ2年少ししか経っていませんが、すでに忘れられつつあるようです。

原発再稼動の加速化は急速に進んでいるとしか思えません。
「原発の安全性」は、完全に原発の「運転の安全性」に、すりかえられてしまい、多くの人は相変わらずの「絶望的な無知無関心」へと逆戻りです。
テレビで、「再稼動しないと生活が出来ない」などと発言している人を見ると、悲しくなります。
いのちよりも暮らしが大切だということのおかしさにさえ、気づいていません。
雇われてお金をもらうことを、みんな「仕事」と思っているようですが、その考えを見直すことをフクシマの原発事故は教えてくれたのです。
しかし、そんなことはもう被災者以外の人たちは忘れてしまったようです。
自分だけがよければいいのでしょうか。
なんともはや情けない人たちばかりです。

もちろん、原発がすぐにすべてなくなるわけではありませんので、原発の運転の安全性は重要なことです。
しかし、それと再稼動や原発前提の経済成長は別の話です。

井戸から高濃度の放射性物質が検出されたニュースも報道されていますが、まあそれもまた「選択的忘却」の対象になるでしょう。
自分にとって都合に悪いことは関心を持たずに忘れてしまうのは、人の常です。
しかし、忘れていいことと忘れてはいけないことがある。
忘れてはならないことを、藤永さんのように書き残し、注意を喚起していくことにこそ、ジャーナリストの責務はあると思いますが、情報があふれかえるほどの昨今の過情報社会では、そうした情報はなかなか見えてきません。
注意しないと、都合よく加工された情報に振り回されてしまいます。

原発の再稼動を止めるにはどうしたらいいのか。
迂遠なようですが、今度の参議院選挙に反原発を心から主張している人や政党に投票するしかないでしょう。
投票したい人がいないなどという人に会うと、蹴飛ばしたくなります。

今度の選挙はとても重要な意味を持っていると思っています。
しかし、「絶望的な無知無関心」が広がっていて、投票率が危惧されているようです。
ぜひ周りの人に、その大切さを伝えようと思います。

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