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2013/07/16

■節子への挽歌2129:お天道様が見ている

節子
挽歌をまた書けるようになったのはいろいろな人からのメールや電話です。
見えなくとも、人はさまざまなものに支えられているのです。

まだお会いしたことのない人からのメールです。
その人は、「佐藤修さん」と書き出しています。

毎日ブログを楽しみに読ませて頂いているので、佐藤さんのお名前がすらすらと出てきました(^_^.)。
夫が自殺で亡くなった1年半前に初めて連絡をさせて頂いた、さいたま市に住んでいる・・・と申します。
その節はお電話口で「おつらいですね。」と優しい言葉を掛けて頂いて、泣かないようにするのが精いっぱいであまりお話も出来なかった様に覚えています。
実は、私もその時に、どう応えたのか記憶がありません。
「おつらいですね」とは、いかにも月並みですが、突然の時には、お互いにまあ月並みなことしか交わせないものです。
大切なのは、言葉ではなく、言葉の奥の思いなのでしょうが、電話ではそれが伝わるとは限りません。

湯島のオフィスは、自殺のない社会づくりネットワーク・ささえあいの事務所にもなっています。
それで時折、その種の相談の電話もあります。
相手の勢いに、引きずり込まれたこともありますし、心身が萎縮することもあります。
その方の電話の時も、私は少し引いていたかもしれません。
なぜなら、そういう電話は慣れていないので、どうしてもまだ、構えてしまうのです。
構えてしまっては、相談になど乗れません。
面と向かってならばともかく、電話相談は私には向いていません。
その時も、何を話したか、記憶がないのです。
相手を傷つけたかもしれません。
その後、一度だけメールがあったきりで、音信が途絶えたので、気にはなっていたのです。
愛する人を失った人は、どんな小さなことでも傷つけられるものなのです。

その方からの、久しぶりの突然のメール。
こう書かれていました。勝手に引用させてもらってすみません。

屈折する気持ちを抑えて「私が幸せになれば、亡くなった夫も幸せだろう」と良い事だけを考えて、毎日明るく生活しています。
この言葉の奥にある思いは、伝わってきます。
私も、同じような言葉を発したことがあるからです。

この方は、最後にこう書いてくれました。

佐藤さん、体調は如何ですか?
ご無理をせず、でも近々、またフォワードカフェをやって下さいね。
必ず、参加しますから。
佐藤さんにお会いしたいです。
今月は、フォワードカフェをさぼってしまいました。
お天道様が見ていると、昔の人はよく言いました。
しかし、それは今も同じなのです。
気になっていたことが、ひとつ氷解して、ホッとしました。
そして、やはりまた書き出そうと思ったのです。

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