■節子への挽歌2139:最期を看取るから
先日、テレビで映画「ワイアット・アープ」を放映していました。
ワイアット・アープといえば、実在した保安官で、西部劇のスターの一人です。
特に有名なのが、「OK牧場の決闘」ですが、学生の頃、この映画が好きで、ある一場面だけを見るために何回も映画館に通いました。
当時の西部劇は、実に単純で、わかりやすかったのですが、節子はその頃の西部劇も好きではありませんでした。
人を殺す映画はいや、というのが、その理由でした。
「ワイアット・アープ」はケビン・コスナー主演で、全体に暗い映画で、私は一度見たら十分だと思っていましたが、なんとなく懐かしくて見てしまいました。
西部劇の好きな人はすぐに気づきますが、この映画は「OK牧場の決闘」を少しだけ取り込んでいます。
そういう視点で見るとおもしろいのですが、映画そのものは、全く面白くありません。
それはともかく、一か所だけ、心に響く言葉がありました。
ワイアットが求婚される場面です。
私は求婚したことはありますが、求婚されたことがありません。
しかし、この言葉で求婚されたら、すぐに受けてしまうだろうなと思いました。
その言葉は、「私があなたの最期を看取るから」というものです。
この言葉は、すごく大きな力を持っています。
最高の贈り物は、「最期を看取る」ことだと、最近、ようやくわかってきました。
私は、その最高の贈り物を節子にあげたわけです。
私の看病や心遣いは、不十分だったかもしれません。
最近、そう思えてならないのですが、しかしまあ、「最期を看取る」という最高の贈り物をしたのだから、節子は許してくれるでしょう。
愛する妻を病気で亡くしたワイアットは、もう2度と結婚しまいと思っていたのですが、この言葉で再婚してしまうのです。
そして、最期を看取られて、人生を終わるのです。
ところで、この言葉で再婚することには、問題があります。
それは、最期を看取られるのではなく、また「最期を看取る」羽目になるかもしれないということです
それを思うと、この言葉には要注意です。
ワイアットはうまくいきましたが、だれもがうまくいくわけではありません。
だまされてはいけません。
まあ、だます人はいないでしょうが。
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