■マット・デイモンのオバマ大統領批判
今朝の朝日新聞に、マット・デイモンさんがオバマ大統領批判の発言をしたという記事がありました。
彼は、ハリウッドにおけるオバマ支持の中心的存在でしたが、この報道には拍手を送ります。
私自身は、大統領になってすぐに、オバマ大統領には違和感を強く感じましたが、私の大好きなジェーソン・ボーンもようやく自らを取り戻したかとうれしい限りです。
今回の発言は、かなり具体的なことに踏み込んでいるようです。
アメリカでは俳優も政治や宗教への態度がはっきりと語るような感じがします。
日本とは対照的です。
もちろん日本でも俳優やタレントが政治的主張をすることはありますが、ほとんどの人は中立を守っています。
言い方を換えれば逃げています。
主張すると、山本太郎さんのようになるのを恐れているのかもしれませんが、私には政治的立場を表明しない人は、全く信頼できません。
時に利休のような人も出ますが、元々芸人は、権力に寄生する人です。
私には、そうした人はいかに見事な俳優でも、全く評価できません。
権力に追従する人ほど、卑しい人はいないというのが、私の考えなのです。
10年ほど前、NPO支援の資金助成プログラムの事務局をやらせてもらいました。
資金提供会社の全面的な理解があり、プログラムの設計は自由にさせてもらいましたが、ただ1点、コメントをもらいました。
「宗教や政治に関わるもの」は支援の対象にしないほうがいいということでした。
それは当時の常識でしたが、私には違和感がありました。
宗教や政治に関わらない市民活動など、私には考えもつかないからです。
まあ、宗教や政治に関する私の理解の仕方が、一般的ではないこともありますが、NPOとはまさに「政治活動」であり「生き方の問題」に関わらなければ、意味がないというのが私の考えでした。
しかし、宗教や政治を外すのは、資金提供者からだけの意見ではなく、一緒にやろうとしていた仲間たちからも当然のように出てきました。
他の論点も多かったので、その時には妥協して、そうしてしまいましたが、ずっと残っている悔いのひとつです。
社会に大きな影響を与える立場にある人たちは、政治への態度を明確にすべきだと私は考えています。
道化役のタレントであっても、道化の精神は持ってほしいです。
もちろん、爆笑問題などのスタイルは、私には論外です。
アメリカでは、ジェーン・フォンダをはじめ、政治的活動をしているスターは少なくありません。
もちろん、立場は正反対の人もいますが、いずれにしろ立場を明確にし、行動もしっかりしています。
日本の俳優たちも、もう少し政治活動をしてほしいと思います。
その影響力は大きいからです。
できることはたくさんあります。
東北被災地にボランティアにいくのも悪いとは言いませんが、もっとやるべきことがあるように思います。
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