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2013/09/06

■幸せを届ける小さなタクシー会社(2013年9月6日)

遅れていた挽歌を書き込むために時評編はしばらく書けませんでした。
ようやく追いつきましたので、時評編を再開します。

昨夜、テレビで「幸せを届ける小さなタクシー会社」として、長野の中央タクシーの乗務員の仕事振りが紹介されていました。
同社の乗務員は、お客様が困っていることを知ると、仕事を中断してまでも、その解決に取り組むのです。
たとえば財布がないことに気づいたお客様を目的地で降ろした後、財布を捜して届けたり、渋滞で飛行機に間に合いそうもない老夫婦を、タクシーを有料駐車場に止めて電車で空港まで送ったり、という活動が3つ、紹介されていました。
詳しくは次のサイトをご覧ください。
http://www.fujitv.co.jp/unb/contents/130905_2.html
とても良い話だと、番組に出ていたタレントのみなさんは話していました。
とても良い話には間違いありません。
困っていた人がいたら手を貸してやるというのは、一昔前までの私たちの生き方でした。
しかし、昨今の企業社会では、そういう文化は薄れてきました。
そしてほとんどの企業は、そういう活動を「合理化」してきています。
そうした流れに抗う中小企業は決して少なくありません。
長野の中央タクシーもそのひとつです。

いま、「仕事を中断して」と書きましたが、同社の宇都宮会長は、そうしたお客様の問題を解決する活動も「仕事」だと位置づけています。
コストや生産性を度外視して、お客様の問題を解決することこそ、会社の仕事であり、それによって、「小さな損」はするかもしれないが、お客様からの信頼感や好感度を得て、会社を支えてくれる人が増えていく。それこそが会社を存続させ発展させていくことにつながると確信しているのです。
一時期、経営の世界でもよく語られた「啓発された自己利益」(enlightened self-interest)を思い出しますが、残念ながらその議論は一時のブームで終わってしまいました。
しかし、それこそが経営の王道であり、それをしっかりと守っている中小企業は少なくないのです。
同社は、まさに地域に支えられた会社です。
長野オリンピックで、長野県がお金まみれになった年(1998年)を除けば、同者は長野で売上№1のタクシー会社です。
当時も書いたような気がしますが、1998年の長野は、知事を初め腐っていたとしか思えません。
オリンピックは、金銭経済では儲けを生むとしても、生活社会を壊すのです。
まあその話は改めてとして、ともかく中央タクシーも、それを支える長野県民も私には輝くような存在です。

昨年の秋、中央タクシーの宇都宮会長にパネルディスカッションのパネリストをお願いしました。
食事をご一緒させてもらいましたが、ただのおじさんの風格をしっかりと持っていました。
肩肘張らずに、しっかりと生活している。
宇都宮さんの「仕事観」「経営観」に感動しました。

日本の企業も、まだ捨てたものではありません。
宇都宮さんは、最近のオリンピック招致の騒ぎをどう思っているでしょうか。

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