■節子への挽歌2197:彼岸花が咲き出しました
節子
節子の命日を過ぎたら、急に涼しくなりました。
命日とは無関係でしょうが、ことほど左様に、いろんなものの理由付けをしてしまうのが、人の常です。
そう考えると、なぜか納得できるのです。
庭の曼珠沙華が咲きそうです。
今年は雨が少なかったので、芽が出ないかもと思っていましたが、元気です。
そもそもわが家には曼珠沙華はありませんでした。
根茎が有毒ですので、あまり気楽に庭には植えられません。
にもかかわらず、なぜ庭にあるかといえば、これもまた節子に関わっているのです。
曼珠沙華の鱗茎は、有毒であるとともに、ある薬用性を持っています。
それで節子の闘病中に、漢方の薬局に頼んで手に入れたのです。
しかし、節子には合いませんでした。
それで土に戻したのです。
ですから、節子が旅立った翌年から、わが家の庭に曼珠沙華が咲き出したのです。
曼珠沙華は彼岸花ともいいます。
昔は墓地の周辺によく咲いていました。
それは土葬された死者を守るためだったと思います。
そして、名前も彼岸花と言われるようになったのでしょう。
曼珠沙華を食べたら「彼岸(死)」しかない、ということからの命名という説もあります。
この花の名前は不思議なほど、いろいろと呼び方があるようです。
「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」という花は、法華経などにも「天上の花」として登場しますが、仏教での曼珠沙華は「白くやわらかな花」で、彼岸花とは別のものだそうです。
つまり、いわゆる曼珠沙華と仏教で言う曼珠沙華とは別の花だということになります。
しかし、彼岸につながっているという点では同じです。
曼珠沙華は、日本では、異名の多い花のひとつです。
「死人花(しびとばな)」「地獄花」「幽霊花」などと言う地方もあるようです。
不吉であると忌み嫌われるところもあれば、めでたい兆しとされるところもあるといいます。
とても不思議な花なのです。
たしかに、この花を見ていると、思いは彼岸や天上にまで行きそうな感じがします。
彼岸花が咲きだす季節になりました。
私には、心身が金縛りに合いやすい季節が終わって、少しホッとしています。
9月は、節子も自由になった月なのです。
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