■節子への挽歌2190:阿閦如来
節子
先日の七回忌の時に、みんなそれぞれにお塔婆をあげさせてもらいました。
お塔婆にはいろいろと文字が表記されますが、この世界を構成する5大要素(空・風・火・水・地)が一番上に書かれています。
そして、その次に、その時の法要を導く如来の名前が書かれます。
3回忌の時は、阿弥陀如来でした。
観音から勢至へ、そして阿弥陀へとバトンタッチされてきています。
七回忌にはどの如来かとご住職に質問しませんでしたが、お経の中に「阿閦如来」の名前が出てきていましたので、たぶん阿閦でしょう。
「阿閦如来(あしゅくにょらい)」はあまリなじみのない如来ですが、寺院では時々、そのお姿に触れることがあります。
節子の生家の高月町には「阿閉」という地区があります。
おそらく「阿部氏」につながる地名でしょうが、歴史的にはちょっと気になる名称です。
高月周辺には、そうした歴史的な好奇心を引き起こす地名がいろいろとあります。
いつか節子とゆっくり歩きたいと思っていましたが、かなわぬこととなってしまいました。
実は、節子の母の生家がある唐川という地域も魅惑的です。
その集落に祀られている赤後寺のある山を最初に見た時に、これは古墳だと即座に思いました。
阿閦如来は密教における金剛界五仏のひとつで、金剛界曼荼羅では大日如来の東に居ます。
阿閦は「揺るぎない」という意味だそうですが、金剛界五仏のなかでもその悟りは堅固で、いかなる煩悩にも屈しないとされています。
七回忌を導くのが、阿閦如来であるということは、遺族もそろそろ過去への執着から自由になれということかもしれません。
まあこれは勝手な解釈ですが、七回忌を意識しだした頃から、漸く少しだけ心身の整理ができてきたように思います。
私も少しずつ、悟りだしているのでしょうか。
それとも、疲れ果てて、まあいいかという気になっているのでしょうか。
いずれにしろ、私もこれからは阿閦を見習おうと思います。
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