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2013/09/29

■節子への挽歌2219:記憶の支援

節子
一緒にハワイのキラウェア火山を見に行った、茂木さんが今や大活躍ですが、茂木さんと奥田さんの対談を読んでいて、「記憶の支援」という言葉を初めて知りました。
奥田さんはホームレス支援などで有名な方ですが、対談を読んでいて、その生き方に感銘を受けました。
その奥田さんが、こう話しているのです。
少しだけ、短く書き直して、紹介させてもらいます。

家族は、一緒に生活をしているわけですから、自然と記憶が蓄積されていきます。そして、その記憶を使って現在起こっている事柄や事件への対処を考えたりします。例えば、本人が忘れていても、誰かが病歴を覚えていれば対処ができます。しかし、路上の支援においてはこれができない。誰もその人に関する記憶を持っていないからです。家族が崩壊していく中で、このような家族的機能をこの社会の中でどう持たせるのかが課題なのです。「記憶の支援」、それはあなたのことを忘れてはいないという強いメッセージと共に、具体的対処を可能にするうえで重要です。
記憶を共有することが大きな支援になる。いままではっきりとは意識していませんでしたが、まさに家族や仲間にとって、「記憶の支援」こそが要かもしれません。
奥田さんが話している以上に、「記憶の支援」の力はきっと大きいでしょう。

これを読んだ時に、すぐ思い出したのが、日本ドナー家族クラブの間澤さんです。
間澤ご夫妻はアメリカ留学中の娘さんを交通事故で亡くされ、娘さんの遺志でドナーになりました。
それで日本ドナー家族クラブを立ち上げましたが、私もささやかに応援させてもらいました。
間澤さんたちは、5月17日を「生命・きずなの日」と定め、毎年、公開の集まりを開催していました。
そのイベントのために、みんなで短い動画作品を創りましたが、それは「あなたをわすれない」とみんなが呼びかける映像集でした。
私も参加させてもらいました。
それを制作する時の、間澤さんご家族の熱意が、いまも鮮明に記憶に残っています。

間澤さんは数年前にご主人が亡くなりました。
その後、私もご無沙汰になってしまっていますが、一度だけ、奥様から、元気にしていますと連絡をもらったことがあります。

ネットで調べたら、日本ドナー家族クラブのサイトが更新されていないのに気づきました。
とても残念に思いましたが、記憶の共有を継承し、育てていくことは簡単ではありません。
一昔前の家族は、たぶんそれができました。
家族とは、実は記憶の倉庫であり、それが家族を支えてきたのでしょう。

話が少しずれてしまいましたが、「記憶の支援」とは素晴らしい言葉です。
記憶していることは、他者への支援であると同時に、自らにとっても支えなのです。
そうした「記憶の蓄積所」が消えつつあるのが、社会が壊れつつある原因なのかもしれません。

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