■「人と人をつなげる仕組み」としてのNPO
先日、最近、会社を辞めて個人で起業した40代の女性に会いました。
話しているうちに、彼女がシングルであることに話題がいったのですが、彼女が、老後は快適な老人ハウスに入るのが目標です、と言うのに、ドキッとしました。
その資金を貯めたいので起業したというわけです。
その言葉を真に受けていいのかどうかは迷いますが、かなりの真実味を感じました。
実はその数日前に、ある集まりで、やはり同世代の女性から、今は仕事をやっているが、老後の自分の居場所を考えると不安になるという話を聞いた直後でしたので、特に気になりました。
そういえば、このブログの「さみしい社会」でも、同様な話を紹介したことがあります。
共通しているのは、みんな仕事が大好きな女性たちです。
最近お話を聞いた2人の女性は、いずれも仕事の傍ら、NPO活動にも関わったりしています。
そこで気がついたのですが、NPOは「人と人をつなげる仕組み」としても存在しているということです。
言い換えれば、いまや「仕事」は、「人と人をつなげる機会」を生み出してはいないということかもしれません。
さらにいえば、社会そのものが、人のつながりを育てるようにはなっていないのでしょう。
事態は、私が考えているよりもずっと深刻なのです。
「快適な老人ハウスに入る」というのも、実は「雇用経済発想」あるいは「消費経済発想」です。
私は、彼女に、仲間と一緒に快適なシェアハウスを創るのを目標にしてもいいですよね、と話しました。
「雇用経済発想」や「消費経済発想」に呪縛されていると、そうした協同で創造するという発想が出てこなくなりかねないのです。
いうまでもありませんが、モンドラゴンの記事で書いたように、老人ハウスに入居するよりも、仲間と一緒にシェアハウスを創るほうが金銭的なコストはかからないでしょう。
お金が生活を支えるのではなく、人のつながりが生活をさせるのだという発想に変えていけば、みんなもっと住みやすくなるでしょう。
NPOがそういう方向に進んでいくことを期待したいと思います。
それは、現在のNPOの捉え方とはかなり違っているのですが。
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