■洗脳されることの恐ろしさパート2
昨日、洗脳されることの恐ろしさについて書きましたが、私が思っている以上に、事態は深まっているようです。
今朝、NHKテレビの「ニュース深読み」を見ていたら、なんとテーマは「儲ける」でした。
最初に、日本の企業はB to B で収益を伸ばす段階にきたという報告があり、そこからどうしたら「儲かるか」という話ばかりでした。
NHKのアナウンサーが開口一番「みんなが好きな『儲ける』が今日のテーマ」などと明るく話すのを見て、ああこの人はもう完全に洗脳されているなと不快になりました。
と思っていたら、1~2人を除いて、参加者はみんな「儲け愛好者」でした。
社会はすでにかなりの深度で変質しています。
企業からスピンアウトして岩佐琢磨さんという若者が、B to Bは儲かるかもしれないが、汗して働く人の働く場を減らすという主旨の発言をしましたが、司会者は全く無視してしまいました。
いやはや問題の所在にさえ気づいていない。
最後は、消費者も「儲かる頭を持ちましょう」などとわけのわからない結論になっていました。
いささか不快な気分で見ていたので、表現は不正確かもしれません。
前にも書きましたが、働くとは生きること、稼ぐとは家を支えること、儲けるとは余剰を生み出すことです。
農業経済学者の守田志郎さんは、「工業は儲ける業になってしまった。工業が儲けの業だといっても、それは経営者だとか株主だとかいう人の立場についてのことである。そこで働いている人たちはといえば、みな儲けられている方であって、決して儲けている方ではない」と45年前に著書に書いています。
アメリカのA.H.コールは、さらに70年近く前に、「米国においては、最も高い地位を与えられるのは、彼自身の事業活動によって極貧から巨富へ成り上がった人物である。ある意味で皮肉なこうした社会観はなにも米国の発明ではない。〔中略〕しかし、この病気〔金儲け〕に対する米国の感染度はより深刻であり、ビジネスにおける成功で人を凌ごうという欲望がこれほど熾烈であった国はほかにない」と書いています。
この病気〔金儲け〕は長い歴史を持っているのです。
儲けることから稼ぐことへ、さらに働くことへ、と生き方をもどしていければ、社会は大きく変わるでしょう。
そう思いながら、まずは自らの生き方を問い直し続けています。
なかなかうまくはいきませんが。
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