■「農業は人々の暮らしの根源的基盤」
昨夜のアグリケアサロンを開催しました。
農業と福祉を重ねて考えようという主旨で昨年立ち上げた集まりです。
今回は、農業と福祉のいずれの分野で、長年、実践と研究を重ねている熊本の宮田喜代志さんが「農業はなぜ根源的基盤と言えるのか」を「水」を切り口に話してくれ、それを材料に話し合いが盛り上がりました。
宮田さんは、私が取り組んでいるコムケア活動に最初から共感してくれた方で、いまもいつも新鮮な刺激を与えてくださいます。
この集まりも、最初は、農水省や農協関係の人や福祉施設に関わる人が多かったのですが、最近はむしろ新しい視点で農業に関わりだした人の参加が多くなってきました。
私が考える「大きな農業」の発想からは、とてもうれしいことですが、問題はそれをどう具体的な活動へとつなげていくかです。
今回は、医療機器関係のお仕事をしているうちに食の安全性の問題に行き当たり、いまは坂戸の自分の畑で栽培したウコンなどを素材にした無添加の健康錠剤ウコッピーをつくっている宮澤聖市さんという方が初めて参加してくれました。
宮澤さんは、医療機器業界に関わりながら、たとえば人工透析の患者が増えてくるとか、アレルギーに悩む人が激増しているという事実を知り、私たちの食のありかたに問題があるのではないかという思いを強めて、結局、みずからで安全な食に関わる活動を始められたのです。
こういう人が、最近は増えています。
宮田さんの話は、実践を踏まえての話なので、いつも説得力があります。
「農法」という言葉も今回、宮田さんから出てきました。
日本の農業の歴史にも詳しい平田さんは、専業農家は最近のものだと話してくれました。
また最近の農業はお金をかけすぎではないかというまた最近の農業はお金をかけすぎではないかという話も出ました。
それに関しては、農業の工業化により、農という文化を金銭の市場にしてしまうことだったのではないかと私も意見を言わせてもらいました。
そうした動きをつくったのは、まさに「産業化志向の教育」の成果だろうと私は思っています。
その意味で、宮田さんのいう「農業は人々の暮らしの根源的基盤」という指摘に共感します。
問題は、その基盤である農を基軸にした社会の組み替えです。
福祉も教育も、今とは多分、まったく違うものになるでしょう。
そうした動きをどう生み出すか。
今各地で起こっている新しい動きを束ねる「理念」や「スローガン」が必要になってきているように思います。
いつもながら、刺激の多いサロンでした。
メーリングリストもあります。
関心のある方は、参加を歓迎します。
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