■組織起点から個人起点へ
今朝の朝日新聞に小さな記事でしたが、こんな記事がありました。
自民党の村上誠一郎・元行政改革担当相が、機密を漏らした公務員らの罰則を強化する特定秘密保護法案を了承した22日の自民党総務会を途中退席した。村上氏は朝日新聞の取材に対し、「基本的人権にかかわる法案であり、いろいろなケースを想定して熟議すべきだ」と述べた。衆院本会議での法案採決への態度は、審議を踏まえて判断する考えも示した。最近の議員は、党の大きな流れに身を任せるだけで、自分の主張を失っている人ばかりだと思っていましたが、きちんと自分の考えで行動する議員がまだいることはうれしいことです。
昨今の社会を生きる多くの人は、自分の主張などしていては、生き残れないとばかり、魂を売るような生き方をしがちですが、その典型が政治家だろうと思っています。
ですからこういう動きは大歓迎です。
しかし、村上さんにしても、たぶんここまでが限界かもしれません。
村上さんの動きに同調する人が出てくればいいのですが、そういう主体性のある人は議員にはならない時代なのでしょう。
民主党から離党者が続出した時に、少し期待したいのですが、そうはなりませんでした。
やはり組織に寄生しているのが、生きやすいのでしょう。
私は、組織から離脱して25年ほどたちます。
組織から離脱すると「自由」になると思っていましたが、それは半分は正しいですが、半分は間違っています。
組織の中で実行できることと組織を離れて実行できることとは、大きく違うのです。
組織という所属拠点を持たないと、行動はなかなかしにくくなります。
いまの日本の社会は、まだ組織起点で発想されています。
だから、自らの考えとはずれていっても、多くの議員が民主党に残ったのでしょう。
組織に残るか離れるか、どちらがいいかは、一概に評価できません。
わがままな私は、組織を離れる道を選びますが、それが良いとは限りません。
組織に残る決断をした人を責めることはできないでしょう。
しかし、組織で仕事をするか、個人で仕事をするかは、いま大きく環境が変わってきています。
個人でも大きな仕事ができる時代になったわけです。
組織と個人の関係は、特に仕事をする上では大きく変わりつつあるように思います。
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