■放射線汚染の除染実験の報告その3
放射線汚染の除染実験の報告その3です。
田中さんは、もし土壌改良材「パワーパーク」に土壌から放射線物質を除去する効果があるのであれば、まずは保管されている汚染土壌にパワーパークを浸透させ除染を行い、最終目標として、汚染地域の森林や平地に上空からパワーパーク液を散布し除染を行うことを提案しています。
最初のバッチ処理は短時間で効果が出ますが、空中散布は効果が出るまでは時間がかかります。
この提案に対しては、いろいろと質問や疑問が出ました。
土壌は除染されても汚染液が残ります。それをどうするのか。
空中散布したら、地下水に汚染水が入り込んでしまい、汚染が拡散されるのではないか。
これに対する田中さんの考えは明確です。
汚染液の処理に関しては、別の技術開発を考えればいい。
今回の課題は「土壌の除染」。
土壌の除染が必要なのであれば、まずはその方策を考えて実践すべきではないか。
効果を高めるために加熱を200℃にすれば、沸騰して汚染物質が気化して空中に出るかもしれないが、それもまた柏崎原発で話題になっているようなフィルターで処理する技術に任せればいいと言うのです。
つまり、できない理由を探して拒否するのではなく、パワーパークの効用を活かせるところで活かしていこうと言うのです。
現場の人の実践的な発想です。
地下水の問題は放置しておいても同じことが起こります。
空中散布による広域土壌除染は、あくまでも土壌の除染なのです。
まずは表面土壌から除染し、そこで暮らしていける状況をつくりだす。
それが緊急課題ではないか。
もしそうなら早急にそれを行うべきではないか、というのが田中さんの考えです。
もちろん費用対効果の面で実行できないということはありますが、田中さんはもし実践に進むようであれば、自社の技術は開示すると言っています。
いま必要なのは、汚染土壌の除染ではないか、効果があるものがあれば、それを活用するという発想で取組むべきではないか。
そういう思いで、自費でさまざまな活動をしているのです。
私はこの姿勢に共感しているわけです。
今回の実験に参加してくれたお一人から協力の申し出がありました。
その人も含めて、もう少し先に進もうと思います。
実験の場を持ってよかったです。
| 固定リンク
「社会時評」カテゴリの記事
- ■「嘘つきは政治家のはじまり」にしてはいけません (2023.01.26)
- ■月収5万円でも豊かに暮らせる社会(2023.01.09)
- ■見たいものだけしか見ない生き方から抜け出さないと善い生き方にはたどり着けない(2022.12.13)
- ■「宗教2世」?(2022.12.09)
- ■岸田首相の裏切りと日本仏教界への期待(2022.12.04)
コメント