■この問題をどう考えますか
先日、放射性汚染土壌の除染実験を行ったことはこのブログでも書きました。
その結果報告もかなり詳しく書きましたが、実験をしてくれた田中さんが大阪の環境総合テクノスというところで、正式にセシウム量を測定してもらった結果が届きました。
前の記事を読んでいない人のために、簡単に説明しますと、汚染土壌(A)にパワーパークという土壌改良材の液体を入れ、2時間、100度弱の温度で温め続け、2時間後、土壌(B)と液体(C)を分離させ、それぞれのセシウム量を測定しました。
常識的に考えれば、Aのセシウム量がBとCに分かれるわけですが、もしかなりの割合がCに移行すれば、土壌の除染効果があると考えていいでしょう。
今回、国家が決める方法で測定してもらった結果、次のようになりました。
A 4600ベクレル/kg
B 1700ベクレル/kg
C 910ベクレル/kg
いずれもセシウム134と137の合計です。
問題は、この実験の結果、セシウムの総量が大幅に減ってしまったことです。
BとCを合計すると2610ベクレルですので、元の土壌の比べ、2000ベクレルほどのセシウムが無くなってしまっていることになります。
考えられる理由は2つです。
一つは、実験の過程で2000ベクレルのセシウムがどこかに散逸したということです。温めている間に空気中に気化されて逃げたか、温めた後、土壌と液体を分ける過程での器材(たとえば漉し布)に移ったか、です。
もうひとつは、セシウムが別の元素に変換し、セシウムとしてはなくなってしまったということです。放射性物質ではなくなったとも考えられます。
私は、化学的な知識はありませんので、理解できないでいますが、田中さんによれば、これまでの実験でも総量が減るが、実験途中で他のものにセシウムが移ることは考えにくいというのです。
とすれば、セシウムが脱放射性化するという後者の理由しかありません。
この話を理系の人にするとみんなそんな馬鹿なことはない、実験が不完全なのだと一笑に付されます。
私自身は、その実験を目の前で見ていますし、測定も立ち会っています。
理屈と現実が違えば、私は現実を基準に考える人間ですので、セシウムが消えてしまったという説明を一笑にはできません。
そんなわけで、いまちょっと困っています。
どなたかアドバイスしてくれませんか。
実験をもっと密閉空間でやることも可能ですが、施設や費用がありません。
どなたか支援してくれる人はいないでしょうか。
| 固定リンク
「社会時評」カテゴリの記事
- ■民間療法余談:「科学的」ということの勘違い(2023.10.04)
- ■時代の劣化をつくづく感じます(2023.09.15)
- ■ジャニーズ問題への私見(2023.09.13)
- ■「助けてと言える社会」か「助けてと言わないでいい社会」か(2023.08.26)
- ■汚染水を薄めて放出する発想が認められたらなんでもありでしょう(2023.08.23)
コメント
佐藤さん
流行語大賞 4句に対する考察、興味深く読ませていただきました。
じぇじぇじぇ 以外は あんとなくあんまり好きになれないなあ
と思っていた理由が浮き彫りになりました。
こういう言葉が流行する時代 というのは あまりよろしくないですよね。
日本を変えていかないといけません。
病巣は深いですが。
投稿: 我孫子の音楽ソムリエ | 2013/12/09 18:40
音楽ソムリエさん
いつもありがとうございます。
この10日ほど、いろんな意味でダウンしていて、コメントに反応せずにすみません。
以前、お話ししたプロジェクトも、なかなか動き出せずにいます。
ようやくメンタルスランプから抜け出せました。
投稿: 佐藤修 | 2013/12/19 12:42