■バングラディシュのブロッケイド
昨日は湯島で今年最後のオープンサロンだったのですが、鷹取さんが来てくれました。
鷹取さんは不思議な人で、多くの時間を海外で過ごしているようなのですが、年に1回くらい、突然飄々とやってきて、そのつど、刺激的な話題を提供して場を盛りあげ、さらにとてもいいタイミングで退席されるのです。
そのスマートさは、感動的でさえあるのです。
つい最近まで、バングラディシュに仕事だったそうですが、首相選挙の関係で内戦状況に陥り、仕事もできないので帰国されたようです。
私はまったく知らなかったのですが、いまバングラでは、反政府グループによって、各地の交通封鎖や暴力的なデモが行なわれ、連日10人前後の死者が出ているのだそうです。
現地の新聞も持ってきてくれましたが、そこには交通事故死を報告するように、デモなどによる死者数が掲載されていました。
タイでの内戦状況のニュースは日本のテレビでも盛んに報道されていますが、そのすぐ近くのバングラでのこうした状況は気づきませんでした。
今日は気を付けて、BSの海外ニュースを見たのですが、そこではたしかに報道されていました。
死者もすでに200人を超えたと報道されていました。
タイと日本の関係は深いですが、バングラと日本も近い関係にあります。
鷹取さんが教えてくれましたが、今でもバングラのある世代の人たちは、この国の独立を最初に認めてくれた国として日本には感謝しているそうです。
私も、バングラがパキスタンから独立する時に、ささやかに応援しました。
その関係で、定期的に情報をもらっていましたが、その後、シャプラニールが生まれました。
いまは会員も止めていますので、まったく無縁なのですが、バングラがそんな状況とはとても残念です。
しかし、マスコミで報道されている世界の動きは、ほんの一部なのだと、改めて思いました。
そんなことは当然のことなのですが、ついつい報道で知ったことだけで構築した世界像がすべてだと思い込みがちなのです。
昨日のサロンでは、ヘイトスピーチの話も出ました。
しかし、ヘイトスピーチの広がりはどうなのでしょうか。
機能もかなり議論になりましたが、ヘイトスピーチの報道が逆に事実を増幅する効果もあります。
私の周りには、ヘイトスピーチなどしている人はいませんので、実感が持てないのですが、たとえば中国の過激な反日デモも、現実のほんの一面でしかありません。
小さな出来事にこそ本質が現れるとも言われますが、それはそうだとしても、世界を知るためにはやはりもっと広い視野を持たなければいけません。
昨日はいろいろな話が出ましたが、改めて私自身は、視野を広く持つことの大切さを感じました。
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