■流行語大賞に思うこと4:「じぇじぇじぇ」
最後は「じぇじぇじぇ」です。
あまちゃんの朝ドラは私も観ていました。
「じぇじぇじぇ」は楽しい言葉で、抵抗なく、はいってきました。
無理のない、生活の場で育っている自然の言葉だからです。
つまり、「創られた言葉」ではなく「使われている言葉」です。
しかも、たくさんの人たちの心をつないできた言葉です。
これはいわゆるスモールトークの一種でしょう。
頭脳の言葉と言うよりも、身体の言葉でしょう。
生理的な感情用語と言ってもいいかもしれません。
驚きが素直に表現されるわけです。
「じぇじぇじぇ」と言っている人を見ると心が和みます。
「じぇじぇじぇ」という言葉が飛び交っている場の雰囲気も伝わってきます。
間違いなく、みんなが気持ちよく生きている場だろうなと勝手に思ってしまいます。
そこに「文化」や「しあわせ」を感じます。
ともかく気持ちの良い言葉です。
流行語になってしまったと言っても、さほど広がることもないでしょう。
なぜなら、この言葉は生活や文化と深くつながっているからです。
私が「じぇじぇじぇ」と言っても、場違いもはなはだしい。
他の3つとは違って、私には使えない言葉です。
そういう意味では、ほかの3つの流行語対象の言葉とは違います。
でも、「じぇじぇじぇ」の精神は私にも育てられます。
こう考えていくと、言葉は生活や社会のあり様と深くつながっているのがよくわかります。
言葉は、その人の生き方を象徴し、社会の流行語は社会の実相を象徴しています。
言葉は意識を育て、意識が言葉を育てます。
「じぇじぇじぇ」が頻繁に発せられている社会では、感動や感激や好奇心が満ちていることでしょう。
人のつながりも深いはずです。
たかが流行語ではありますが、流行語には大きな意味があるように思います。
「じぇじぇじぇ」のような言葉をもっと育てていく生き方をしたいと思います。
東北の人たちが「じぇじぇじぇ」(違う表現のほうが多いようですが)と言う場面で、みなさんは何といいますか?
私は「えっ!」「ほんと!」くらいしか浮かびません。
語彙の貧しさに、改めて反省しました。
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