■ケネディ駐日大使にも「小さな村の国際紛争」を見てほしいです
昨日、私のブログのある記事へのアクセスが急増しました。
「なんと罪深いことをしてしまったことか」という2年前の記事です。
なぜかわからなかったのですが、今朝、理由がわかりました。
アメリカのケネディ駐日大使が日本の太地町のイルカの追い込み漁に対して、「なんと罪深いことか」とツイートしたことの影響でした。
私の記事は、福島の原発事故に関連したものですので、内容的には全く関係がないのですが、今日は太地町のイルカ漁の話を書こうと思います。
太地町のイルカ漁が問題になったのは、今回が初めてではありません。
2009年にも大きな問題になりました。
ご覧になった方もいると思いますが、反捕鯨活動をしているシーシェパードが「ザ・コーヴ」という大地町非難の映画を制作し、ネットやDVDで広げたのです。
「ザ・コーヴ」の映画は、実に悲しい事件を起こします。
太地町とオーストラリアのブルーム市の間に波風を立ててしまったのです。
大地町は、日本捕鯨の発祥の地と言われています。
オーストラリアのブルーム市は、日本の捕鯨によって育った都市でした。
いまも日系の住民が少なくありません。
そして、太地町とブルーム市は姉妹都市でした。
この映画が契機になって、ブルーム市と太地町の姉妹都市関係は中断され、それまで続いていた子どもたちの相互ホームステイもうまくいかなくなりました。
そればかりでなく、なんとブルーム市の日本人のお墓が破壊され、墓石が廃棄されるという事件が起こったのです。
さすがに、そうした行為には批判が起こり、日系のブルーム市民たちが動き出したのです。
その騒動をNHKが「小さな村の国際紛争」という記録番組にまとめました。
オーストラリアで環境問題に取り組んでいた知人からその番組を教えてもらい、DVDに残していたので、今朝、改めてそれを観ました。
とてもいい記録番組です。
NHKのアーカイブスで観られると思います。
ぜひ多くの人に観てほしいです。
今回もNHKが再放送してくれるといいのです。
ちなみに、その番組によれば、ブルーム市と太地町の関係は回復し、住民たちの交流が再開されています。
ブルーム市のキャンベル市長が太地中学校に来て、子どもたちに話します。
みなさんの心を傷つけたことを謝りたい。ケネディ駐日大使にはぜひ太地町を訪ねてほしいと思います。
太地町とブルーム市が歴史的文化的に深いつながりの中にあるということを忘れないでほしい。
「罪深いこと」とは何なのか。
私たちは、まず自らの「罪深さ」に気づく賢さを身に付けたいものです。
キャンベル市長のスピーチには、未来を感じます。
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