■宇都宮さんの正義感が脱原発の流れを妨げる皮肉さ
都知事選の行方は予測が難しいですが、おそらくその結果は、都民のみならず、都民ではない私にも大きな影響を与えることになるでしょう。
ですから、気が気ではありません。
もちろん私の場合、細川さんが当選するかどうかに関心があります。
都市防災も子育て支援も、社会保障も、私には「脱原発」があればこそ、です。
もちろん経済成長も、です。
そう思わない人がどうして多いのか、私には理解不能です。
細川さんを支援する小泉さんは、日本をここまでひどくした張本人の一人だと思っていますので、その小泉前首相の影がちらつくことに不快感がぬぐえません。
小泉前首相への私の不快感はきわめて大きく、私のホームページやブログで、思わず口汚くののしっていることも少なくありません。
一時は、写真を見るだけで気分がおかしくなったほどです。
雨宮さんのブログの記事を教えてもらいましたが、私も「絶対に忘れてはいけない」と思っています。
にもかかわらず、今回は小泉前首相の言動に救われる思いです。
彼の言動がなければ、今の状況を変えることはできなかったでしょう。
残念ながら宇都宮さんには問題が多すぎますし、共産党の結びつきが強すぎます。
日本共産党は、前にも書きましたが、選挙においては、これまでほとんど自分たち(党勢拡大)のためにしか動いていません。
決して多数派ではない脱原発グループが占拠で勝つには、候補の一本化が効果的です。
しかし選挙において立候補者を一本化するほど難しいことはないようです。
いかに「大事」とはいえ、なかなか「無私」にはなれないようです。
数年前に、沖縄で糸数さんが当選した時くらいしか、私の記憶にはありません。
小選挙区制では、与党に対等に戦うには、立候補者の一本化が不可欠です。
しかし、それはそう簡単なことではないでしょう。
誠実な人ほど、妥協しようとはしないでしょう。
何が大切なのかを考えてほしいと思いますが、だからといって、批判することはできません。
しかし、その結果、流れを変えられないとすれば、やはり悲しいことです。
宇都宮さんは、細川さんと違って、まだ自分を捨てられないのでしょう。
宇都宮さんの正義感が、脱原発の流れを妨げることほど、不幸なことはありません。
しかし、どうも事態はその方向に向かっています。
誠実であればあるほど、権力に加担することになるのは、実に皮肉な話です。
善意や誠実さの上に、不幸は積み重ねられていくものです。
私の思いが外れるといいのですが。
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