■『いまさら訊けない放射能について』サロンの報告
昨夜、湯島で『いまさら訊けない放射能について』をテーマにサロンを開きました。
技術カフェのメンバーの石井さんの呼びかけです。
FBでも呼びかけましたが、結局、技術カフェのメンバーだけになりました。
しかも参加者は4人だけでした。
以前は、原発や放射性汚染のテーマだとかなり関心を持ってもらえましたが、最近はどうも「終わった話」なのかもしれません。
石井さんが、問題を少し整理してくれましたが、情報が多すぎて資料は完成していないようでしたが、それを材料に少しみんなで話し合いました。
しかし、情報が多いということは、逆に事実を見えなくします。
さまざまな数値はありますが、それがどういうものかよくわかりません。
藤永さんは、このサロンのために放射線などに関する本を5,6冊購入して読んでいるようで、その本も持参してくれました。
しかし、今回はそこまで議論が行きませんでした。
私も、わが家で放射線量を2回、測定しましたが、ちょっとした場所の違いや高さの違いで、データは変わります。
どれを使うかで、測定値は全く変わります。
あるいは、10ミリシーベルトが果たして人体にどういう影響を与えるかも、専門家といわれる人によって評価はさまざまです。
私は、福島原発事故の半年後ほどに、日本原電の役員だった技術者から、「佐藤さん、飯舘村だって人が住んでも大丈夫なんですよ」とはっきり言われました、
その人が悪意を持って「嘘」をついたとは思えません。
その人は、そう確信しているのです。
ことほど左様に、事実は見えません。
セシウム134は半減期が短いので、もうたぶん1/3くらいになっており、農業関係者に聞くともう大丈夫だと言います。
私が住んでいる我孫子市はホットスポットになったところですが、農地の除染は解決したと農業をやっている人も行政職員も言います。
そんな馬鹿なと私は思っていますので、わが家の家庭農園への取り組みのモチベーションは高まりません。
セシウム137は半減期は長いのでまだ残っているはずですし、さらに半減期が長いプルトニウムはどうなっているのでしょうか。
ただただ半減期の短いセシウム134だけが話題になります。
福島の除染活動にも接点のある人も参加していましたが、実際にはなかなか実態は見えてきません。
結局、話し合いの結果、わかったことは、実態が見えていないことでした。
放射線科学に関するさまざまな知識を得ても、結局、何も見えてこない。
やりきれなさが残ります。
日本ではまだ二酸化炭素が地球温暖化の主原因だという説(原発を後押しする主張です)や原発こそが発電コストが安いという話がまかり通っています。
いずれも事実ではないことは、少し調べればわかることですが、ほとんどの人は調べる気もありません。
福島での汚染水の漏洩にも、もうだれも驚かなくなりました。
お金の威力には驚かされます。
これでいいのかとみんな思いました。
自分たちはいいけれど、子どもたちに顔向けができないのではないかというのが参加者みんなの思いでした。
そして、その意識が、私たちのいき方の問題へと繋がっていきました。
放射性汚染問題にどう取り組むかは、まさに私たちの生き方の問題なのです。
もう少しこういう話を続けたい。
それが呼びかけ人の石井さんの結論でした。
継続開催する予定です。
この問題に動き出さない技術者たちには私は強い怒りを感じていますが、技術者だけの問題ではないことを改めて自覚しました。
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