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2014/02/21

■節子への挽歌2364:ちょっと昔の世界に戻ってみましたが

節子
またパーティに参加してしまいました。
前にも出て、場違いな感じを持ってしまったのですが、なぜかまた出席する気になってしまいました。
人は懲りないものです。
ついでに、これまた久しぶりに講演まで聞いてしまいました。
パーティの前に基調講演があったからです。
これも誘われた時に、なぜか講演も聞くよと言ってしまったのです。
講演は「東京再生」に関する話で、なんと講演した伊藤滋さんは、勢いに乗って2時間も話されました。
私は、東京がますます劣化する昨今の流れには大きな違和感がありますが、伊藤さんの話はそれを超えて、話として面白かったので、退屈しませんでした。
しかし、話を聞きながら、私が25年前に離脱した世界は、今も変わることなく存在し、動いていることを、改めて実感しました。
私は、そうした動きが好きにはなれませんでしたが、節子は好きだったかもしれません。
再開発された、新しい東京に行くのが好きでしたから。
もし今も節子がいたら、楽しんでいたかもしれません。

会社時代の私と会社を辞めてからの私とは、世界が全く変化しました。
簡単に言えば、お金で動いている世界から、生活で動いている世界です。
あまりの急変に、節子にはもしかしたら、負担をかけたかもしれません。
それまでは定期的に入ってきた収入がなくなり、貯金は底をつき、不安を感じさせたこともあったかもしれません。
退職金は、とんでもない無駄づかいで、なくしてしまいましたし。
しかし、節子は、私のそうした生き方の変化に賛成していたことは間違いありません。
そこが、節子のおかしなところかもしれません。

会社を辞めた後、私の価値観は180度変わったのですが、会社の世界を離れても、どこもかしこも、やはり「お金の世界」でした。
それに反発を感じながらも、しかし時に、お金がほしくて、迎合的な仕事をしたくなる自分にも、時々出会いました。
しかし、私の新しい生き方が大きくはぶれずにこられたのは、節子のおかげです。
節子もまた、お金にはおどろくほど無関心で、お金がなくとも愚痴をこぼしたことがありません。
今にして思えば、時には少し「ぜいたくさ」を体験させてやりたかったです。
こんなに早く逝ってしまうとは、思ってもいなかったからです。
ちなみに、節子は再開発された東京に出かけても、ほとんどお金は使いませんでした。お金がなかったからでもありますが、たぶんそれだけではありません。
節子もまた、私以上に、普段はつつましかったのです。
時々、わけのわからない消費をするところは私と同じでしたが。

昔の世界に、昨日はちょっとだけ戻った気分でした。
パーティでは数名の旧知の人に会いましたが、みんなやはり向こうの人のような気がしました。
私の偏見かもしれませんが、私にとっての現世は、やはりかなり大きくゆがんでいるようです。
節子と一緒にいる時の、平安さは、なかなか最近は味わえません。


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