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2014/02/10

■問題を構造化することの大切さ

私は一応、経営コンサルタントを自称しています。
しかしどうも私の経営観は、時流に沿っていないようで、仕事はほとんどきません。
困ったものです。
それでも企業を変革したいと言う経営幹部の人たちと議論することがあります。
社会活動やNPOに関わっている人もよく相談に来ます。
社会を変えたいとみんな言います。

そういう人たちと話していると、ほとんどの場合、現状の問題点もうまく進んでいない理由もみんなわかっているように思います。
それなのになぜ前に進まないのか。
最大の理由は、本気さの欠落だと思いますが、「問題の立て方」も大切だと思います。
問題の立て方に関しては、このブログでも何回も書いていますが、問題の立て方さえ間違わなければ、問題解決はうまくいくはずです。

現状を変えていくには、現状をどう把握するかが重要です。
多くの場合、問題の「構造化」が行なわれていないため、様々な問題は並列的に捉えられてしまい、結局、全体像が見えなくなることが多いように思います。
ですから、私のところに相談に来る人には、「構造化」を勧めることが多いです。
構造化とは、様々な問題や事柄のつながりを、静態的にではなく動態的に図式化することです。
そのためには、構造化する基準としての「価値観」や「ビジョン」が必要になります。
それがなければ、各論的最適解を求めて、解決しやすい問題や緊急の問題から解くことになりがちです。
それでは、対症療法はできても、変革はできません。

ところで、今回の都知事選は、「原発問題」を争点にすることへの反発が多かったように思います。
今朝の新聞にも、「脱原発という理想論は私には響かなかった」と言うような意見が出ていました。
脱原発が理想論? 私には驚きですが、そう思う人は少なくないのでしょう。
原発よりも、福祉を選んだという人も多かったようです。
それにワンイッシュー選挙批判もあります。
こうした意見が出るのは、問題の構造化がなされていないからだろうと思います。

原発ゼロというだけではなく、具体的なシナリオが必要だという意見もありますが、これも問題が構造化されていないための意見です。
原発ゼロの方針か脱原発化のシナリオかは、並列の問題ではなく、目的と手段の関係にありますが、そうした動的な構造関係も並列で語られているのが最近の原発論議です。
ここでも構造化されていないがゆえに、問題が意図的に解釈されがちです。

原発について言えば、原発の上に経済や生活を考えるのかということだろうと思います。
原発と自然エネルギーは、決して二者択一の問題ではないのです。
同じように、原発と子育て支援や高齢者福祉も、二者択一の問題ではないでしょう。
福島の子どもたちや仮設住宅の高齢者を考えれば、そんなことはすぐわかるだろうと私は思いますが、どうもそうではないようです。
多くの人にとっては、はっきりと構造化してやらないと、問題が理解できないようです。
マスコミは意図的ではないかと思うほどに、問題を構造化しません。
それはどう構造化するかで、問題の見え方が変わるからです。

前にも書きましたが、大切なのは、問題の優先順序です。
私たちの生活の基盤をどこに置くのか。
今回の都知事選での結果は、やはり多くの人たちは、自分の生活保全を重視し、次世代のことなど頭になかったように思います。
7代先の掟は、もはや過去のものになってしまったのでしょうか。

3年前に会った人がメールをくれました。

一度レールを外れると、もう終わるんだなと、つくづく疲れ果てています。
最近特に、自分に合う人との出会い、愛情の有無が、どこにいようが何をしようが、全てではないかと思うようになってきました。
個人の生き方においても、何が基本かは重要です。
これもまた、問題の構造化につながる話ではないかと、私は思っています。
何を基点に考えるか。
その基点がしっかりしていれば、判断に迷うことはありません。
今回の都知事選では、改めて私自身、それを考え直す契機になりました。

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