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2014/02/26

■人には共存できないものもある

今日の朝日新聞の朝刊のトップ記事は、「再稼動進める」明記、という見出しで、新たなエネルギー基本計画の政府案に、原発の新増設までもが盛り込まれたことを報じています。
ところが、その隣に、福島原発事故で全町民が避難を続けている、福島県双葉町の役場の写真が掲載されています。
見出しは、「時は止まったまま無尽の役場」となっています。
事故後、初めて朝日新聞記者が入って、撮った写真だそうです。

この紙面を見ながら、人間の思考の柔軟性に、改めて感心しました。
この2つの報道記事を見ていたら、普通は頭が混乱してくるはずです。
しかし、その2つの記事が、何の違和感もなく、そして関連付けられることもなく、ただただ並んでいるのです。
そして、たぶん多くの人は、それぞれを違和感なく読み流すことでしょう。
そういえば、つい最近の高汚染度の水が200トンも漏洩したことが報道されましたが、もう多くの人は驚きさえしないでしょう。
人は、現実に慣れていくものです。
まったく正反対の事実でも、違和感なく、受け入れてしまうかもしれません。
原発事故の恐ろしさを体験したにもかかわらず、その原発と共存しながら生きていくことができるのが人間なのかもしれません。

しかし、同じ新聞の39面に、60年前にビキニ環礁での水爆実験で被曝した第5福竜丸の乗組員だった大石又七さんの「語り部活動」の記事があります。
大石さんは、「放射能の恐ろしさを政治家たちは隠している」と言います。
大石さんが、80歳の高齢で、しかも脳出血を起こした後までも、その恐ろしさの講演を続けているのは、「核兵器も原発も、人類とは共存できない」という信念を、一人でも多くの人に伝えたいからだそうです。

エネルギー基本計画を決めた政府閣僚の人たちの「信念」と大石さんの「信念」は大きく違います。
私は、やはり、大石さんの信念を支持します。
どんなに柔軟であろうとも、人には共存できないものもある。
いや、共存してはいけないものがある、と私も思うからです。

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