■エスカレーターの片側をあける文化
先日、大阪に行った時に気づいたことがあります。
地下鉄駅のエスカレーターを歩く人が少なくなっていました。
今回、大阪にはあるNPO関係者の集まりに出るのが目的だったのですが、その事務局をやっている人が、以前、大阪の地下鉄の駅をすべて生活者の目でチェックするという活動に取り組んでいたグループの代表なのです。
そのプロジェクトは大きな話題になり、地下鉄側も誠実に対応してくれたようです。
私がそのグループと付き合いだしたのは、そのプロジェクトがほぼ終わる段階でした。
今は3代目の代表ですが、ささやかにずっとお付き合いがあります。
地下鉄の話は、その後、聞いてはいなかったのですが、当時のメンバーの一人の酒井さんが、今はエスカレーターの片側をあける習慣をやめる運動を起こしたいといっているようです。
エスカレーターの片側をあけるのは、大阪の万博から始まったそうです。
その当時は、急ぐ人のために、片側を開けましょうと働きかけていたそうです。
それですっかり定着してしまったわけです。
しかし、今は流れは逆になっています。
片側だけに乗ることで重力の負荷が偏り、故障の原因にもなりますし、事故も起きやすい。
それで最近はむしろ両側に乗ったほうが良いという意見が強まっているようです。
そんな話を聞いて、地下鉄に乗ったら、駅内放送で、エスカレーターでは歩かないでくださいと数か所で放送していました。
そういえば、東京でもそんな放送を聞いたような気がします。
この話は、社会の状況を象徴しています。
かき分けてでも先を急いだ時代から、ゆっくりと並んで動きに身を任す時代へ。
高度成長期の社会と成熟した高齢社会との違いを実感させます。
私は数年前にエスカレーターを歩くのはやめようと決意したのですが、気がついてみると、いまも時々歩いてしまっています。
気を付けようと思います。
歩いたところで、数秒の違いなのですから。
時代に合わせて、変えなければいけない生きたもあります。
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