■ネット社会のもろさを実感しました
山梨市主催の上野千鶴子さんの講演会が、一部の人の抗議を理由に、中止になっていましたが、上野さんの逆抗議もあって、一転、開催されることになったそうです。
新聞でも話題になっていますので、ご存知の方も多いと思いますが、これは実に気になるニュースでしたので、ホッとしました。
上野さんがどうのこうのということではなく、一部の反対で、予定されていたことが中止されるような動きには、恐ろしさを感ずるからです。
そんないい加減な講演会は、最初から企画すべきではありません。
学校でも、一部の特殊な人の理不尽とも思える強い反対で、行事がなかなかうまく行なえないという話もよく聞きます。
私も、自治会の会長を引き受けていた時に、近くの小学校の集まりに参加して、先生たちがとても萎縮していた印象があります。
主催側は、そうした一部の反対に屈することなく、自らのビジョンと信念に基づき、覚悟を持って初志貫徹してほしいものです。
もちろん、一部の人の反対でも、それが納得できるものであればいいのですが、今回の山梨市の事例では、上野さんが問題視すると再開に戻ってしまうというのは、いかにもいただけません。
といいながらも、必ずしも、初志貫徹することは難しいこともあります。
実は、たまたま今日、同じようなことを身近に体験しています。
私自身のことではないので、詳しくは書けませんが、ある人の活動に対して、活動を止めろというメールが何通も届きました。
相手は一人ですが、かなり感情的なメールです。
おそらく最初はちょっとした行き違いだったのでしょうが、ネットの時代は、そうしたちょっとした行き違いが増幅されたり、ツイッターなどで後半に拡散されたりしやすいですから、あっという間に元に戻れなくなりかねないのです。
しかも、ストーカー殺人事件にみるように、いとも簡単に、殺傷事件にまでいきやすいのが現代です。
メールの非難は、受ける方にとっては、過剰に傷つき、時に恐怖感を生み出すものです。
大丈夫だよ、などとは、誰にもいえない時代なのです。
今朝、ある人から、予定していたフォーラムに参加できないと連絡がありました。
たくさんの非難メールが連日届くだけで、おかしくなりかねません。
そのため、彼は、予定していたフォーラムに参加できないと連絡してきたのです。
彼はそのフォーラムをとても楽しみにしていたのですが。
それどころか、活動をやめたいとまで言うのです。
彼の活動が広がりだしているので、とても残念ですが、彼の心配も無視できません。
さてどうするか。
情報社会は、一人の思いや志が、社会を変えていける時代でもありますが、逆に、たった一人の異常な言動が、大きな流れを止めてしまうことがある時代です。
情報社会をどう生きるかは、実に悩ましい問題です。
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