■組織にとって働く人の自殺問題をどう捉えるか
このブログでも案内を書きましたが、一昨日、「生き生きと働ける職場を実現する-組織で働く人の自殺を考える-」というテーマのラウンドテーブルミーティングを行いました。
これは、「自殺に追い込まれる状況をどうしたらなくしていけるか」連続ラウンドセッション の第1回目です。
会社の役員の方も含めて、24人が集まりました。
この連続セッションには、私なりの思い入れがあります。
3月は全国的に、自殺予防月間です。
各地で自殺対策に関連したイベントが開催されています。
私も数年前から、仲間と一緒に「自殺のない社会づくりネットワーク」というのを立ちあげて活動してきていますが、毎年3月に公開フォーラムを開催してきました。
毎回、それなりの思いを込めて、単発的なイベントとは違う、参加者が話し合い、そこから新しい動きが始まるものになるように心がけてきました。
実際に、そこから小さな動きもいくつか出てきています。
毎月の集まりも始まって、もう4年以上続いています。
しかしどこかで何かが違うなという思いがありました。
そこで、今年から少人数で話し合う連続セッションを始めることにしました。
幸いに賛成してくれる人が手を上げてくれて、ゆるやかな実行委員会ができました。
その第1回目のセッションのテーマを「会社で働く人の自殺」にしました。
これは私がずっと前から気になっていたテーマだからです。
これまでも企業の経営幹部の人と、この話をしたことが何回かあります。
私との信頼関係がある人でも、私が切り出すと、一瞬、考えてから、話しだします。
それも、佐藤さんだから話すけれど・・・・というのがほとんどでした。
私自身は、メンバーが自殺にまで追い込まれるような状況がある組織には、何か大きな問題があるはずだと思っています。
どんなに業績が上がっていようとも、どんなに競技に勝ち続けていようとも、どこかでダメになると思っています。
仮にダメにならないとしても、成員が自殺に追い込まれるような組織は、私は肯定できません。
「自殺」とはきわめて刺激的な話題ですが、そこから組織が考えなければならない本質的な問題が見えてくるはずです。
しかし、当の企業の経営者たちは、自殺は恥ずべき不祥事で蓋をしたいと思っているようです。
しかし、不祥事に蓋をしていても、何の解決にもなりません。
当日、話し合いの途中で、組織における自殺問題の捉え方として、2つの視点を話させてもらいました。
A:自殺を経営にとってのマイナス(コスト要因)と捉え 隠蔽し、再発防止に努める。
B:自殺に追いやられた状況を把握し、生き生きと働ける組織にしていくことを考える。
残念ながらほとんどの企業はAの視点で「自殺問題」を考えているのでしょう。
これは、メンタルヘルへの企業の取り組み姿勢にも通じています。
私は、経営道フォーラムという企業の経営幹部の研修プログラムに長年、アドバイザー役で関わらせてもらっています。
私が担当しているのは「企業理念・経営理念」と「企業文化」の2つです。
そのいずれにとっても、「自殺問題」は本質的な問題を突きつけています。
しかし、なかなかそれを理解してくれる人はいません。
今回、このセッションで、ようやくそういう話し合いの端緒が開けたような気がします。
セッションの内容を書くつもりが、そこまでいきませんでした。
項を改めて、書くことにします。
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