« ■なぜ精神障がい者には責任能力がないのか | トップページ | ■節子への挽歌2412:ほんとうによいこと »

2014/04/18

■節子への挽歌2411:久しぶりの河島さん

節子
節子がいなくなってから、衣服などの買い物にほとんど行かなくなってしまいました。
そのため6年以上経過すると着るものがなくなってきました。
特に、まったく買っていないのが、ビジネスシューズです。
もう7~8年、一足も買っていません。
しかもほとんど履く機会もありません。
背広を着た時だけは履きますが、最近は月に1~2回です。
先日、下駄箱に入っていた5~6足の靴のなかから、無造作に1足を引っ張り出して大阪に履いていきましたが、雨の中を歩いていたら、靴の底がはがれてしまいました。
古い上に、よほど安い靴だったのでしょう。
気づいたのが、新大阪駅に着いた時でしたので、そのまま新幹線に乗りました。
そして大変な苦労をして、何とか帰宅しました。
靴屋の友人から、安い靴はだめだと言われていましたが、その通りでした。
しかし、靴底がはがれてしまうとは、困ったものです。

来週また大阪に行くのですが、あの悪夢を思い出しました。
それで残っていた靴をすべて処分し、新しい靴を1足だけ買うことにしました。
それで近くのイトーヨーカ堂に娘に頼んで靴を買いに行きました。
そうしたら、衣料関係の特売をやっていました。
3割引きなのです。
滅多に行かないので、ついでなので、シャツを買うことにしました。
選んだら、同じのを持っているんじゃないかといわれました。
そういえば、前に買ったシャツと同じものでした。
私は、いろんなものを楽しむタイプではなく、気にいったら、それだけを楽しむタイプなのです。
だからいまもって、節子にこだわっているのでしょう。
困ったものです。
ちなみに、そのシャツは以前買った時の3分の1以下の値段でした。
これもいささか納得できませんが、買ってしまいました。

まあ、そんなことはどうでもいいのですが、その買い物をしていたら、突然、声をかけられました。
転居前に住んでいた家の近くの河島さんご夫妻です。
実に久しぶりです。
「とても気になっていたのですが、お元気そうで何より」、とお2人は言ってくれました。
お会いするのは、節子の葬儀以来かもしれません。
そういう河島さんたちも、お元気そうでした。

「河島さんもお変わりないようで」と応えたら、「いまも貧乏に暮らしています」と河島さんらしい言葉が返ってきました。
それで、ついつい「わたしもそうです」と言ってしまいました。
ちょっと河島さんに失礼だったでしょうか。

河島さんは、東京でお店を持っていた時計職人でしたが、もうお店もやめていることでしょう。
以前、一緒に電車に乗っていたら、私の時計を見て(その時、ある理由でオメガの時計をしていたのですが)、せっかくのオメガが可哀相ですと言って、わざわざ預かっていって磨き直してくれました。
時計嫌いな私は、かなり乱雑に扱っていて、時計の表面ガラスが傷だらけだったのでしょう。
あまりにきれいになって戻ってきたので、使うのをやめてしまいました。
そのオメガの時計は、アポロが月面に到着した最初の宇宙士がはめていたのと同じ時計なのだそうで、あることでオメガからもらい、仕方がないのでしばらく使っていたのです。
河島さんに会うと、あの時に御礼をしたかどうか気になって仕方がありません。
私は、そういうところがかなり非常識で、忘れてしまうのです。
実に困ったものです。

節子が元気だったら、河島さんとの付き合いも続いていたでしょう。
節子がいなくなったために、付き合いが止まってしまった人も少なくありません。

また食事でもご一緒しましょう、と分かれました。
ところが、そのおかげで、靴を買うのを忘れてしまいました。
さて、来週の大阪行きは大丈夫でしょうか。また靴底がはがれないことを祈るばかりです。

|

« ■なぜ精神障がい者には責任能力がないのか | トップページ | ■節子への挽歌2412:ほんとうによいこと »

妻への挽歌13」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ■節子への挽歌2411:久しぶりの河島さん:

« ■なぜ精神障がい者には責任能力がないのか | トップページ | ■節子への挽歌2412:ほんとうによいこと »