■「私らは侮辱のなかに生きている」
いまさらタイトルにするのも気が引けますが、2年前の7月、東京の代々木公園で行なわれた「さようなら原発10万人集会」で大江健三郎さんが、引用された言葉です。
出所は、中野重治さんの短編小説にある文句だそうです。
大江さんの引用で、この言葉は有名になりました。
今日、この言葉で始まる本を読みました。
白井聡さんの「永続敗戦論」(太田出版)です。
読み始めた途端に魅了され、一気に読み上げてしまいました。
白井さんは、その本のあとがきでガンジーの言葉の引用と合わせて、読者にメッセージを送っています。
心から共感しましたので、長いですが、引用させてもらいます。
「あなたがすることのほとんどは無意味であるが、それでもしなくてはならない。そうしたことをするのは、世界を変えるためではなく、世界によって自分が変えられないようにするためである。」(ガンジー)世界に変えられそうになっている自分に気づきました。
3・11以降2年の月日が流れたが、ガンジーのこの言葉は私を支えてくれているし、この間、この言葉を実践している有名無名の少なからざる人々の姿は、私に勇気を与えてくれている。
「侮辱のなかに生きる」ことに順応することとは、「世界によって自分が変えられる」ことにほかならない。私はそのような「変革」を断固として拒絶する。私が本書を読む人々に何かを求めることが許されるとすれば、それは、このような「拒絶」を共にすることへの誘いを投げ掛けることであるに違いない。
元気が少し出ました。
中野重治は福井のご出身です。
明日から「命の大切さ」をテーマにしたシンポジウムに参加するため、福井に行きます。
「変えられる生き方」ではなく、自らを「変える生き方」に戻らなくてはいけません。
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