■人間的に真っ直ぐ向き合うことの大切さ
18日の「責任のない者の責任」で、福井で開催された「自殺を防止する人命救助活動シンポジウム」での気づきの、その2です。
弁護士の茂呂信吾さんが、東尋坊で活動している茂さんを、人間的に真っ直ぐ向き合っている人だといいました。
まだ茂呂さんが茂さんと知り合う前に、ある事件を通して、茂さんと接した時の感想だそうです。
18日のシンポジウムでは、茂呂さんは「悩みごとを解決するための法律」というテーマで講演してくれました、
その話を聴いていて、茂呂さんもまた、「人間的に真っ直ぐ向き合っている人」だと感じました。
茂呂さんは、相談に来た人の立場から、法律をどう活かしたらいいかを考えています。
そういう人柄がはっきりと伝わってきました。
茂呂さんが、生活保護関係の相談を引き受けることが多くなっているのも、そのせいかもしれません。
生活保護関係の話をする時には、茂呂さんの人間的な熱い思いも伝わってきました。
ちなみに、福井県の生活保護受給者比率は日本全国で下から2番目に低く、1000人当たり4人程度だそうです。
一番比率の高い大阪は1000人当たり32人ですから、いかに少ないかがわかります。
これは、福井県の人たちの価値観に大きく影響していると茂呂さんは言います。
生活保護の申請を勧めても、生活保護を申請するくらいなら、死ねと言ってほしいと涙を流す人もいるそうです。
不正に生活保護を受けている人もよく話題になりますが、こういう実態もあることを私たちは知らなければいけません。
そして、「生きる」とはどういうことかを、お金からではなく、考える必要があると思います。
話を戻して、「人間的に真っ直ぐ向き合う」ということです。
最近、日本では自殺防止対策にかなりの予算が組まれています。
自殺防止活動も広がっています。
しかし、何かが欠けているような気がしています。
それこそが、「人間的に真っ直ぐ向き合うこと」ではないかと、茂呂さんの話を聴いていて、気づきました。
東尋坊の茂さんたちの活動が、ぶれずに10年も続いているのは、「人間的に真っ直ぐ向き合う」姿勢を守っているからです。
人として真っ直ぐに付き合う。
これこそが、自殺に追いやられることのない社会を実現するための出発点です。
人として扱われなくなった段階で、人はすでに生きることをやめているのかもしれません。
この前の記事で、企業から人が消えつつあることを書きましたが、
社会においても、気をつけないとそうなりかねません。
人として生きる前に、まずは周りの人に、人としてしっかりと向き合うことが大切です。
それがおろそかになっていないかどうか、私自身、大いに反省させられました。
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