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2014/06/25

■節子への挽歌2481:薬師寺の思い出

節子
録画していた「薬師寺」のドキュメンタリーを見ました。
薬師寺の薬師三尊は私が最初に見た仏像です。
高校の時の修学旅行でしたが、薬師三尊には圧倒されました。
奈良時代に人たちも、この仏たちに拝んでいたのだと思った途端に、なぜか当時の人たちのざわめきが聞こえてきた気がしたのです。
それ以来、仏像が好きになりました。
だから私にとっては、思い出深い仏像です。

大津にいた頃、節子とも何回か、行きました。
最初に行った時に、節子にざわめきの話をしたのですが、節子には冗談に聞こえたようです。
何回目かには、しかし、あなたなら聞こえたかもしれないと言ってくれました。
なにしろエジプトの廃墟のような砂にさえ感動する私と長年一緒だったので、否定しても無駄だと思っていたのでしょうか。
しかし、もう少し節子が長生きしてくれたら、私と一緒に、ざわめきが聞こえるようになったかもしれません。

東京に転居してからも、薬師寺には節子といったような気がします。
私たちは、京都よりも奈良が好きでした。
何しろ最初に一緒に歩いたのが、奈良でしたから。

薬師寺は行くたびに大きく変わっています。
私は、節子と最初にいった昭和40年頃の薬師寺が一番好きです。
薬師寺が好きだったのは、私には白鳳の息吹きを感ずる場所だったからです。
飛鳥ほどではありません。
飛鳥は、そこに行くだけで、心が震えました。
薬師三尊は、白鳳仏か天平仏かで論争があるそうですが、私にはそのあたたかさから、白鳳仏だと思っています。

昨年、娘と久しぶりに奈良に行きました。
ちょうど東塔の補強工事中だったこともあり、来たことを後悔しましたが、薬師寺から唐招提寺の道はあまり変わってはおらずホッとしました。
でも、残念ながら、白鳳の息吹きは感じられませんでした。

薬師寺の東院堂の聖観音のレプリカが東京国立博物館にあります。
近いうちに、会いに行ってこようと思います。
いつもとてもさびそうです。

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