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2014/06/18

■節子への挽歌2468:生命と物質の緊張関係の弛緩

節子
今日は少し理屈っぽい話です。

生命現象と物質現象に関して、物質は解体方向に向かうのに、生命は統合方向に向かうといわれます。
解体という意味は、秩序が壊れていってバラバラになっていくという意味です。
逆に統合とは、バラバラのものが関係付けられ秩序化していくという意味です。
難しい言葉を使えば、物質界ではエントロピー増大の法則が支配するのに対し、生命はそれに抗って、エントロピーを減少させていくということです。
かなり不正確な表現ですが、統合に向けての流れが止まった時に、生命は死に向かいだすわけです。

最近の私ですが、身体は間違いなく解体に向かっています。
どこもかしこも、ボロボロになりつつあります。
先日は胸部を強く打ったら暫くの間、咳をしても痛いほどでした。
足腰はかなり弱ってきていますし、皮膚の老化は一見しただけでよくわかります。
以前、脳のMRIやCTを撮ったら、歳相応に壊れてきていると言われました。
いろいろと新品に替えたい器官もあるのでしょうが、替えるわけにもいきません。

一方、生命的な面では、相変わらず世界を広げながらも、自分の世界はますます進化しているような、気がします。
まだ死に向かっての反転はしていないのではないかと思っています。
しかし、最近、いささか危うい動きを感じます。
というのも、統合に向けてのモチベーションや好奇心へのフットワークが大きく後退しているのを感ずることがあるのです。
「そんなことを学んだところで、何になるのか」
「それを見に行ったところで、何になるのか」
そんな思いがどこかに浮かんでくるのです。
昨日も実は、東京国立博物館のある展示を見に行くつもりでしたが、少し疲れていたこともあって、まあいまさら見てもなんの意味があるのだろうと小賢しい思いに襲われて、やめてしまいました。
困ったものです。

生物は、生命と物質から構成されています。
その生命と物質の緊張関係の中で、生物は生きているのだろうと思いますが、どうやらその緊張関係が、私の場合、少し緩んできてしまっているようです。
軌道修正すべきかどうか、それが問題です。
ちなみに、自己修復できるのも生命の特徴です。
どうしようか、迷いだしています。

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