■節子への挽歌2475:痒いところが掻けないのは困ったものです
節子
昨日、畑でアリに襲われて、そのせいか体中が痒いです。
アリではなく、草にやられたのかもしれません。
畑仕事をする時には完全装備してやるようにと、節子によく言われたことを思い出します。
私はいつもの服装で畑作業をし、ズボンを台無しにしたり、虫に刺されたり、ケガをしたりすることが多かったのです。
最近は一応、軍手はするようになりましたが、どうも身体を覆うというのが不得手です。
それに作業をしていると暑くなるのです。
昨日も無防備で作業をしていました。
よく見ると、腕の至るところに、虫に刺されたようなあざや赤いふくらみがあります。
痒み止めのムヒを塗っても、あまり効果がありません。
実に痒い。困ったものです。
手足はまあいいのですが、手が届かない背中の痒さは大変です。
節子がいたら、「ちょっと背中を掻いてよ」といえますが、娘にはなかなか言えません。
実に困ったものです。
痒いところを掻いてもらう。
手の届かないところへの気配りをしてもらう。
節子がいなくなってから、こうしたことができなくなりました。
もちろん娘たちがある程度はしてくれます。
昨日も突然のお客様があったのですが、私が気づかないことを知らぬ間に娘がやってくれたのに気づきました。
お客様はそんなことには気づかないでしょうし、以前の私ならたぶん気づかなかったのですが、お客様に合わせたちょっとした心遣いは大切なことでしょう。
そういう節子や娘たちのあたたかな心遣いのなかで、私は快適に暮らしてきたわけです。
節子がいなくなってから、ようやくそのありがたさを実感するようになりました。
気づかないところで、節子にはたくさんお世話になってきたのでしょう。
痒い背中が掻けないことで、そのありがたみへの感謝の思いが強まります。
それにしても痒いです。。
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