■自殺は個人の問題か社会の問題か
一昨日、「自殺に追い込まれる状況をどうしたらなくしていけるか」連続ラウンドミーティング「企業で働く人編」パート2を開催しました。
と言っても、私は事務局役を少し手伝っただけで、主催者はパート1に参加してくれた大企業の現役の経営管理職の任にある人たちです。
その経緯は、案内させてもらった時に書きましたが、私としては大感激の集まりでした。
当事者たちがその気にならなければ、問題は見えてきませんし、解決にも向かいません。
そこでの議論はオフレコなので報告はできませんが、参加した人からのメールを少し引用させてもらいながら、少しだけ雰囲気を紹介させてもらいます。
参加者からの感想の一部です。
自殺が、個人の問題か、社会の問題か。少なくとも、その話し合いの入り口までは到達したということです。
これは、企業が自殺対策を考えるうえで、最初の大きな壁と思われます。
○○さんが途中で、「・・ということを認めると、自殺は個人の問題だと認める事になってしまい、それは避けたいんですよ・・」とおっしゃっていましたが、そのあたりから本音を出し合い、考えを深め合えればと思いました。
ちなみに、参加者は14人、ほぼ半数は大企業の関係者ですが、この集まりに参加するまでは「自殺」の話など自分とは無縁と思っていた人も少なくないはずです。
この集まりのタイトル「自殺に追い込まれる状況をどうしたらなくしていけるか」からわかってもらえると思いますが、私の認識は、自殺は個人の問題ではなく社会の問題として捉えないと実態が見えてこないということです。
しかし、自殺とは個人の問題ではないかと思っている人も少なくないでしょう。
自殺を防止するための仕組みづくりや活動が広がっていますが、問題をどう捉えるかで、対策は変わってきます。
自殺は、個人の問題ではなく、社会の問題、つまり今の社会を形成している私たちみんなの問題と捉えることが、大切ではないかと思います。
今回の集まりではまだ、そうした議論は入り口に到達しただけですが、引き続き話し合いたいというメールも届いています。
それにしても、自殺に関する集まりに、休日にもかかわらず、参加してくれたことにも感激しています。
先のメールの送り手は、最後にこう書いていました。
日本の企業は、日本社会の大きな位置を占めています。
企業にできることは決して少なくないと思います。
この会が立ち消えにならず、小さく育っていかれることを願っています。
ぜひともパート3を開催したいと思っています。
一緒に取り組もうという方がいたら、ぜひご連絡ください。
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