■若者たちの気晴らしはどこに向かうのか
イラクの過激派ISISがイスラム国家の樹立を宣言したというような情報がなされていますが、テレビのニュースによれば、ISISにアメリカの若者たちが参加しているようです。
スペイン戦争を思い出します。
皮肉屋のパスカルはこう書いているそうです。
人間の不幸などというものは、どれも人間が部屋にじっとしていられないがために起こる。人が一番辛いのは、何もやることがないことです、
部屋でじっとしていればいいのに、そうできない。
そのためにわざわざ自分で不幸を招いている。
とりわけ若者はそうでしょう。
スピノザの研究者の國分功一郎さんは「大義のために死ぬのをうらやましいと思えるのは、暇と退屈に悩まされている人間だ」とある本に書いていました。
昨今のアメリカのように、大義が失われている社会では、そう思う若者が出てきてもおかしくはありません。
1960年代は若者たちが大きく動いた時代でした。
しかし、その体験を踏まえてか、若者たちのエネルギーを管理する仕組みが進化しました。
若者たち自身もまた、生き方を学んだのかもしれません。
アメリカに劣らず、日本はもっと平和で大義を問う状況は少ないように思います。
私のような高齢者からすれば、大義を質すべき課題は少なくありませんが、若者たちにはそれはまり魅力的ではないようです。
大義を質す場合も、それがわくわくするようなものでなければ、向かう気にはなれないでしょう。
部屋に閉じこもっているほうが快適かもしれません。
それに部屋自体も、いまや世界に通じていますから。
日本の若者たちは、集団的自衛権にも自発的なISISへの参加にもあまり関心がないようですが、どういう世界に住みたいと思っているのでしょうか。
私はやはり、「集団的自衛権の世界」ではなく「自発的なISISへの参加の世界」に住みたいと思いますが。
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