■「台風が来るから海が洗われてきれいになる」
台風11号がまた日本列島に大きな爪痕を残しました。
気象異常はますます酷くなってきています、という思いをどうしても持ってしまいますが、はたしてこれは「気象異常」の話なのだろうかと、最近思うようになってきています。
言い換えれば、「異常」なのは「気象」ではなく、私たちの「生き方」や「住まい方」なのではないかと思うのです。
もっと言えば、正すべきは「私たちの生き方」や「住み方」だと考えたほうがいいように思います。
そう思っていたら、こんな文章に出会いました。
先日、送られてきた佐久間進さんの「人間尊重のかたち」と言う本の一節です。
ちょっと長いですが、そのまま引用させてもらいます。
私は、年に数回、石垣島に行きます。毎年行くのが楽しみなほど大好きな場所です。海がとてもきれいで自然豊かな素晴らしい島です。その海がとてもきれいであるということで、おもしろいことを聞きました。「沖縄(石垣島)は、毎年大きな台風が上陸して大変でしょうね」と私が心配すると、「いや、台風が来るから、海が洗われてきれいになるんですよ」と地元の方に言われました。最近、もやもやとしていたことが、この文章を読んですっきりしました。
北海道の登別で大きな地震・噴火が起こった時、私は現地の旅館やホテルのお見舞いのために登別を訪問しました。建物の中は火山灰などで真っ白になっている状態で、「本当に大変ですね。こういった場所によく住んでいられますね」と私が言うと、「そんなことはありません。温泉は長年経過すると湧水量が低下してきます。この噴火は45~50年周期で起こっていますが、この噴火が繰り返されるおかげでまた温泉が湧いてきます。それによって温泉観光地として商売ができているのです。ですから、むしろありがたいものなんですよ」と言われました。
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