■ブラック イズ ビューティフル
今年もまた、ブラック企業大賞が発表されました。
企画の趣旨には共感するところもあるのですが、「ブラック企業」というタイトルには大きな違和感をもっています。
なぜ「ブラック」なのか。
私が20代の頃、ブラックパンサーというグループがアメリカで活動していました。
正確には覚えていないのですが、その標語はたしか「ブラック イズ ビューティフル」でした。
日本でも翻訳出版されていたその機関誌を、私も読んでいました。
当時、「ブラック」にはむしろ「正義」のイメージがありました。
そういう記憶があるので、若者たちを使い潰している企業を「ブラック企業」と呼ぶことに、大きな違和感があります。
これは明らかに「差別語」だと思いますが、なぜこんな言葉を使うのか、残念です。
その言葉を大々的に使用する人たちの中に、しっかりした社会活動をしてきた人たちの名前を見つけると悲しくなります。
社会運動は、視野狭窄になりがちですが、それにしてもちょっと考えればわかることなのですが。
もう一つ、気になることがあります。
個別企業を「ブラック企業」として名指すことです。
たしかに、そうしたい企業はあります。
よく話題になる居酒屋の「和民」は、このブログでもかなり早い時期に問題提起していますが、問題なのは企業と言うよりも、経営者です。
企業は経営者によって大きく変わります、
会社としての「和民」が問題なのではなく、その会社を経営している渡邉さんが問題なのだろうと思います。
ユニクロもそうです。
柳井さんは経営者としてもNHKなどからは高い評価を得ていますが、私には最悪の経営者のように思います。
会社は経営者だけのものではありません。
そこで働いているたくさんの社員たちがつくりあげています。
会社全体を酷い会社であると決め付けてしまえば、そこで働いている人たちをも否定しうることになりかねません。
もちろんそうした会社に参加しているだけでも、非難されて仕方がない面もありますが、問題の本質を見誤ってはいけません。
問題にすべきは、経営者ではないかと私は思っています。
組織はあくまでも中立です。
組織に実態を与えるのは、経営者であり、管理者であり、現場の社員です。
しかし、昨今のような状況では、まずは経営者が問われなければ行けません。
だから私は、ブラック企業大賞に違和感があるのです。
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