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2014/09/11

■悪魔に魂を売りたくはありません

川内原発が再稼働にまた近づいてしまいました。
住民たちの発言を封ずる田中委員長の顔が、私には悪魔に見えました。

挽歌編に、テレビの楢葉町の取材番組のことを書いていたら、時評編にも書きたくなりました。
何やら怒りがこみあげてきてしまったのです。

番組というのは、NHKで時々放映している「72時間」という番組です。
あるところを舞台にして、そこの3日間の動きを淡々と放映する内容です。
私が見たのは、福島原発の近くの楢葉町の72時間です。
楢葉町は原発事故の後、生活禁止になっています。
ただ、原発の最寄駅のあるところなので、昼間はたくさんの人が電車でやってきます。

カメラは、駅から原発に向かう人たちを映し出しますが、その光景は異様です。
みんな急ぎ足で、黙々と原発に向かって歩いていきます。
取材者が声をかけても無言です。
時に対応する人がいても、どこまで話していいかわからないのでと言うのです。
まるで機械のロボットのような不気味さを感じました。

もちろんその人たちを非難しているのではありません。
むしろ危険をおかして働きに来る使命感には感謝すべきでしょうし、敬意を持ちます。
でもどこかおかしな風景です。
もっと胸を張って、明るくすべきだと思いますが、そうではないのはなぜでしょうか。
それに、どこまで話していいかわからないという発言が出ること自体、おかしいのです。
誰かが真実を隠そうとして、働き手に圧力をかけている。
それに反すれば、「謀殺」さえも辞さないのではないかという恐怖が支配しているのかもしれません。
それは決して事実無根のことでもないでしょう。

挽歌に書いたのは、住民がいなくなった楢葉町に空き巣が入らないように見回りをしている、男性の話です。
挽歌編から引用します。

その人が番組の取材で思わず話し出したことがあります。
その人の奥さんは、原発事故の後、避難生活の疲れで亡くなってしまったのだそうです。
60歳。とても明るく元気な人だったそうです。
彼はしみじみと、原発事故さえなかったら、楽しい老後生活になったのにと語ります。
事故の数日前に、夫婦で年金の手続きに行ったのだそうです。
話しながら、その人は涙をこらえきれませんでした。

原発さえなかったら。
原発は、私には悪魔のような存在に見えます。
にもかかわらず、日本の政府は原発依存から抜け出ようとしていません。
まさに悪魔に魂を売った人たちの政府のような気がします。
その人たちに、この人の悲しみはわからないでしょう。
原発がないと生活ができないなどと言っている人もまた、同罪です。
そういう人には、妻を失ったこの人の思いなどわかるはずもない。

原発事故のために、大切な人を失った人たちの悲しみを、私は知る由もありません。
しかし、その悲しさを利用している人たちへの怒りは忘れることができません。

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