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2014/10/27

■節子への挽歌2610:毒杯による尊厳死

節子
安楽死問題に衝撃を与える事件が、いまアメリカで起こっています。
末期の脳腫瘍で医師に余命が6か月以内と告知された、29歳の女性が、11月1日に尊厳死することをユーチューブで流したのです。
昨夜のテレビが、それに関連して、安楽死(尊厳死)の問題を特集していたのを見たのですが、実に後味が悪く、寝付かれませんでした。
いまもまだ気分がよどんでいるのですが、ここに書いてしまって、そこから抜けようと思います。

その番組で、イギリスの老夫婦がスイスの「尊厳死を支援する施設」(スイスでは尊厳死のための自殺ほう助が認められています)に行き、4か月の話し合いの中で、結局、尊厳死を選ぶのです。
難病の夫が妻に手を握られたまま、自ら毒杯を飲んで死に向かう実景がなまなましく放映されました。
その場面が、あまりにも強烈だったの、寝付かれなかったのです。
もしかしたら、節子もそれを望んだことがあったかもしれません。
私に、それを暗示的に示唆したことがありましたから。
その時のことがまざまざと目に浮かびます。

イギリスの老夫婦は、尊厳死したのは夫だけです。
さすがに、死に直面していない妻の死をほう助することは認められていません。
しかし、もしかしたら、本当は妻のほうこそ、死にたかったのかもしれません。
送られる方と送る方では、間違いなく送る方が苦しいのです。
しかも、隣で尊厳死していく夫を見ていたら、それは忘れがたい記憶になって残るでしょう。

さらに・・・

とまぁ、私自身につなげながら、いろんなことを考えてしまったわけです。
その気持ちを書くことで抜け出そうと思ったのですが、逆効果でした。
ますますいろんなことが思い出されてしまいました。
ますます気分は重くなってしまいました。
オフィスに行く予定だったのですが、今日はやめようと思います。

ちなみに、余命宣告を受けて、尊厳死を決めた女性が、別の医師の忠告で病気に立ち向かい、14年経った今、元気で暮らしている姿も報告されていました。
節子も、奇跡が起こる一歩前まで行ったのです。
何が起こるかはわかりません。
やはり私は、毒杯を飲む方法には断固反対です。

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