■小渕経産相の辞任会見を見ていてぞっとしました
昨日、辞任した小渕経産相の記者会見を見ていて、何やらぞっとした気分に襲われました。
小渕さんを非難する意図はないのですが、今という時代の実相を見るような気がしたのです。
小渕さんの受け答えは実に見事でした。
リスクマネジメントの常道をきちんと押さえていますし、何よりもぶれない信念と素直な知性を感じました。
こんな有能な若い政治家を、おそらく彼女自身の知らないところで行われていた「従来の慣行」で辞任させるのは、なにか割り切れないものを感じたほどです。
では、なぜ私がぞっとしたか。
表情がないからです。
まさに、あれはロボットの記者会見でしょう。
冷静に、理路整然と、客観的に正誤を判断し、政治家にはめずらしく、質問に正面から応じています。
素直に聞いていると同情したくなります。
しかし、表情がないのです。
もう一人の辞任大臣とは大違いです。
繰り返しますが、私は小渕さんを非難しているのではありません。
そうではなく、彼女から見えてくる時代状況に大きな不安を感じているのです。
現代社会は、ともかくストレスの多い社会です。
とりわけ、国家の権力機構の一翼を担い、しかも男性社会の中で女性の代表のように期待されている小渕さんのストレスは想像を超えるほどに大きいでしょう。
現代社会で大きな責任ある立場に立つためには、ストレスに負けず、感情などにも振り回されない。超人さが必要です。
超人というよりも、むしろロボットと言った方がいいかもしれません。
大きな機構の中で、狂うことなく正常に作動しなければ、機構自体が危うくなるからです。
小渕さんを見ていると、まさにそうしたロボットを感ずるのです。
近くで取材した人の話では、唇は乾き、手の指先は小刻みに震えていたそうですから、小渕さんは間違いなく人間でしょうが、人間がロボットを演じなければいけない時代が、ぞっとするのです。
小渕さんが、薬物を使用していなければいいのですが。
もう人間の政治家は不要になってきているのかもしれません。
安倍首相が言う女性の活用とは、女性をロボット化することなのかもしれません。
ますますぞっとしてしまいます。
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