■健全な老化と正常病
私の生き方は、かなり社会や時代から脱落しているのですが、時々、本などを読んでいると元気づけられるこがあります。
以前紹介した宇根豊さんの「農本主義は未来を耕す」を読んだ時には、私の生き方は脱落ではなく、未来の主流ではないかとさえ思ったほどです。
今朝から井上芳保さんの「つくられる病」を読み出したら、私の生き方もまんざらではないとうれしくなりました。
私がよく使う言葉に、「健全に老化している」というのがあります。
私はお医者さんに行くのがあまり好きではありません。
そういうと、周りの人は「怖いのか?」などとわけのわからないことを私に言うのですが、怖いわけがないでしょう。
あえて言えば、「病気になりたくないから」ですが、これもまた誤解されかねません。
めまいで一週間寝てしまったり、2か月も声が出にくかったり、胃腸の調子がおかしかったりした時には、周りの圧力もあって、病院に行くことはありますが、そこでの医師の処方は、ほぼすべて、「健全な老化です」というように受け止めています。
MRIで脳に梗塞部分が確認された時も、声が出にくくなった時も、医師はたぶんそれと同じような処方をしてくれたのだと理解しています。
一応、薬はくれましたし、私もある程度飲みましたが、要は「健全な老化」なのです。
健全な老化への処方は、健全に素直に生きるということです。
そのための「知恵」は、古来、たくさん伝承されています。
ところで、「作られる病」には、こんなことが書かれています。
「正常病」とは、端的に言えば「正常のために病気になっている状態」のこと、つまり「自分は「正常」であらねばならない」との強い思いに取り憑かれてしまうがために、かえって調子がおかしくなるような一種の病理的な状態を指している。老化した人間が、どこかに不具合が生じないこと自体が、正常ではないというのが私の考えなのですが、まさにわが意を得たりです。
本書にはまた、健康増進法への疑義が提起されています。
全く同感です。この法律の恐ろしさは、前に書いたかもしれません。
本書で一番私が感動したのは、「そんなに「健康」になって、いったいどうするの」という言葉でした。
まだ読みだしたところなので、その先が楽しみです。
今日はあまり時間がないので、読み終わるのは明日になりそうですが、多くの人に読んでほしい本です。
読み終えたら、また「制度化された医療」と「生活のなかでの治癒」について、書いてみようと思います。
また、この本に書かれている「正常病」状況は、私がささやかに取り組んでいる自殺の問題や認知症の問題、障害児の問題や企業経営の問題につながっているのだろうと思います。
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