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2014/12/02

■節子への挽歌2649:ラムセスヒルトン

節子
毎週はがき定期便をくれる鈴木さんは、料金の切手以外に、私のためにわざわざ選んだ切手(JAPEXで購入)を本文の上に貼ってきてくれます。
なぜか私にはエジプトと絵画がテーマだそうです。
エジプトは好きなのですが、実は絵画はあまり好きではないのです。
節子は絵画が好きでしたが、私は彫刻が好みです。
まあそれはどうでもいいのですが、今日、届いたはがき定期便には、カイロのヒルトンホテルの切手が貼ってありました。
そして、「ここに泊まられましたか?」と書いてありました。

私たちがエジプトに行ったのは、もう20年以上前です。
最初のわが家の家族海外旅行でした。
退職金をもらっていたので、当時のわが家はいささかバブルでした。
いまではありえないのですが、JTBのエジプトツアーに行くことにしました。
行き先がエジプトでしたので、家族はあまり乗り気ではありませんでした。
節子も、どうせならヨーロッパかカナダを望んでいました。
しかし、私の好みで最初の海外旅行はエジプトになってしまいました。
その時に宿泊したのが、カイロのラムセスヒルトンでした。
懐かしい話です。

その時のツアーはとても充実したものでした。
エジプト在住の中野さんがずっとガイド役をしてくれました。
中野さんのガイドは素晴らしかったです。
中野さんとは今もお付き合いが続いています。

中野さんは、エジプトは好きになってもう一度来る人ともう絶対来ない人と別れるのですよ、と話されましたが、私たちは必ずもう一度行こうと思っていました。
最初はあまり乗り気ではなかった節子も、とても気に入ったのです。
節子の病気が治ったら、必ず行ったはずです。
しかし、残念ながら、2度目はありませんでした。
節子がいなくなったからです。

もう2度と泊まることのないホテルの切手を懐かしく見ています。

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