■節子への挽歌2674:節子を知っている友人たちが続けて来ます
節子
今日はさまざまな人が湯島に来てくれます。
最初のお客様は京都で伝統文化に取り組んでいる濱崎さんです。
相変わらず活動をどんどん広げているようで、そのチャレンジ精神は大好きですが、いささか危なっかしいところがあります。
濱崎さんとは、彼女がまだ大学院生時代だった時に知り合いましたが、伝統文化への思い入れの強さには敬服します。
節子も一度会っていますが、それは彼女たちが東大の駒場で開催した公開シンポジウムの時でした。
夫婦で参加したのですが、シンポジウムが始まる前に、彼女がお茶をたててくれました。
なぜか私たち夫婦は壇上に乗せられ、みんなの前でお点前をいただきました。
私は作法など全く知らず、普段と同じように、無造作にいただいてしまいましたが、隣にいた節子は恥ずかしい思いをしたそうです。
何しろ私は作法を無視した対応をしたからです。
それもみんなの見ている前で、です。
困ったものです。
お茶をたててくれたのは濱崎さんですが、それにも懲りずに、今も付き合ってくれています。
節子が闘病で食欲がなかった時には、濱崎さんは冷菓を送ってきてくれました。
濱崎さんは、大学院終了後、老舗の和菓子屋さんの太田さんと一緒に、京都の弘道館を復活させようといささか無謀な挑戦をしています。
一昨年、弘道館をお伺いした時には、太田さんがわざわざ来てくださり、手作り和菓子と一緒にお茶をたててくれました。
その時も、作法などわきまえずに、美味しくいただきましたが、節子のことを思い出していました。
太田さんも実に魅力的な人です。
濱崎さんにしろ、太田さんにしろ、世間からかなりはずれた生き方をしています。
私は、そういう人と会うと元気が出てきます。
次の来客は、これまた節子の闘病中に、おいしいケーキを送ってくださっていた鈴木さんです。
鈴木さんは、来年、世界に向けて歩き出す計画をお持ちです。
さらにその後は、これまた節子のよく知っている武田さんと柴崎さんが来るようです。
なにやら今日は、節子の知っている人が湯島に来てくれます。
節子が呼んでくれたのでしょうか。
今日の東京は、青空の気持ちの良い冬です。
そろそろ鈴木さんが来るころです。
コーヒーでも淹れることにしましょう。
こうしていると、節子がいた頃のことを思い出します。
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