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2014/12/22

■若者たちの不安感を解かなければいけません

12月20日に、「ちょっと重い、しかし気軽な話し合いの会」を開催しました。
テーマは「学生と自殺」です。
ドキッとするようなテーマなので、このままだと誰も集まりません。
そこで「ちょっと重い、しかし気軽な話し合いの会」などというわけのわからないタイトルにしてしまったのです。

日本ではこの10数年、統計上だけでも3万人前後の人が自殺に追い込まれています。
しかも最近は若い世代の人の自殺が増えています。
いまの社会が、あまり生きやすい社会ではなくなっているのかもしれません。
そんなことを踏まえて、この数年、「自殺に追い込まれることのない社会」をテーマに、いろいろな話し合いの場をつくってきました。
最初は、「自殺」という問題に正面から取り組んできましたが、最近はむしろ「自殺」という切り口から社会のさまざまな問題を考えていくことが大切ではないかと思いだしています。

たまたまある集まりで、大学で社会学の教鞭をとっている楠さんと話していたら、大学生も「自殺」の問題には関心を持っているとお聞きしました。
そこで、一度、学生の皆さんを中心にした話し合いの場がつくれないかと思い、楠さんと一緒に、まずは関心のある人たちでの予備的な話し合いの場を開いてみようということになったのです。

たとえば、まだ学びの場にいる若い人たちが、いまの社会はどう感じているのか。
特に、学校を卒業して、社会で働くということに、どんなイメージを持っているのか。
今の社会を生きづらいと考えているのか。
日本での自殺者が多いことをどう受け止めているか。
そんなテーマで、まずは関心をお持ちの若い人たちと少人数での話し合いの場を持つことにしました。
私のホームページでも案内を掲載したところ、11人の人が集まりました。
10代の大学生から70代の会社社長まで、さまざまな人が集まりました。
発達障害で苦労していた経験を活かして、いまは発達障害のある人たちのコミュニケーション支援に取り組んでいる冠地さんも、久しぶりに来てくれました。

私はたくさんの気づきをもらいましたが、若い世代の人たちが思っていた以上に社会に出ることに不安を持っていることです。
不安の中に夢や希望があればいいのですが、どうもそうしたものはあまりないようです。
こんな状況にしてしまった大人たちは大いに反省すべきです。

子どもの世界に広く深くかかわっている冠地さんは、社会のひずみが家族を通して子どもにしわ寄せされていることを実感しているようで、家族関係や地域コミュニティのあり方に鋭い問題提起をしてくれました。
若い世代は、身近な社会である家族や学校を通して、社会の実相を鋭く感じているのでしょう。

話し合いの結果、2月か3月に「学びの場にいる若い人たちが、いまの社会はどう感じているのか」を話し合うような公開フォーラムを開催することになりました。
参加された学生たちを中心に実行委員会を立ち上げました。
できれば、これを契機に、若者たちが中心になって、大人たちや社会活動に取り組む人たちと出会えるような、サロンが生まれないかと思っています。

自殺の問題には直接にはつながりませんが、それも意識しながら、少しずつ進めていければと思います。
テーマは重いですが、明るく、しなやかに取り組んでいきたいと思っています。
一緒に取り組んでくださる方がいたら、気楽にご連絡ください。

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