■節子への挽歌2699:ハグだけは女性にすると決めている
節子
福岡の藏田さんから本が送られてきました。
「ディセットⅡ」、川柳の句集です。
藏田さんが川柳にはまっていることは、北九州市の友人からも聞いていました。
毎日新聞の人気コーナー「仲畑流万能川柳」(万柳)に蔵田さんの句がよく入選されているというお話でした。
それを聞いた時に、私もネットで調べてみたら、藏田さんの作品があった記憶がありました。
いまも調べてみたら、いくつか出てきました。
たとえば、着物というお題での藏田さんの作品です。
亡き母の泥大島を案山子着る藏田さんは畑もやっています。
藏田さんの畑は、案山子がいるほどの大きな畑なのでしょうか。
凝り性の藏田さんのことですから、畑も半端ではないのかもしれません。
いつぞや奥さんが、お金のかかる畑だと言っていましたが、案山子にまで泥大島を着せるとは、さすがに藏田さんです。
藏田さんは私より年上ですが、定年を迎えたら、さっと会社を辞めて、故郷の福岡に帰ってしまい、自然を相手に優雅な生活を始めました。
これもまた藏田さんらしい鮮やかさでした。
藏田さんとは仕事の関係でお付き合いが始まりました。
実は、藏田さんには多大な迷惑をかけてしまったにもかかわらず、それ以来、ずっと親しくお付き合いさせてもらっています。
節子も藏田さんのことを知っていて、藏田さんのダンディさにほれ込んでいました。
今回送っていただいた句集にも藏田さんの写真が出ていますが、ますますダンディな趣味人を感じさせます。
藏田さんは、節子が亡くなった後、わが家にまでわざわざ献花に来てくれました。
そしてその後も、いろいろと野菜だとか魚だとかアサリだとか、ご自分が育てたり採取したりしたものを送ってきてくれるのです。
お礼のしようもありません。
句集に載っている藏田作品は、いずれも藏田の人柄や生活を感じさせるものです。
いくつかを紹介しましょう。
薬より息子の顔が効くらしい節子が元気だったら、きっと川柳が気にいったでしょう。
お盆には生きた息子を待っている
糠の床ご先祖様の息聞こえ
「悩みない」ズバリ言う人悩んでる
見つめれば相手も見てる誰だっけ
ハグだけは女性にすると決めている
満腹で飛べなくなった蚊を叩く
人間は幸せ祈り戦する
節子も時々、旅行先で句を読んでメモしていたのを思い出します。
川柳は人の香りがするように思えると藏田さんは書いています。
藏田さんの香りも確かに伝わってきます。
私が一番気に入ったのは、
ハグだけは女性にすると決めているです。
いかにも藏田さんらしく、それに藏田さんでなければ言えないことですので。
一昨日(18日)、新春北九州市川柳大会があったようです。
藏田さんも、8つのお題で16句を発表したようです。
どんな句を詠まれたのでしょうか。
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