■節子への挽歌2686:カサブランカの香り
節子
昨日まで気づかなかったのですが、朝起きて節子に般若心経をあげていたら、カサブランカの香りが部屋に充満しているのに気づきました。
年末は、お金の節約で、カサブランカは買えなかったのですが、それではいけないと思い、元旦に買ってきました。
とても立派なカサブランカです。
しかし、いつものように香りがしないなと思っていたのですが、考えてみると開花しだしたのが3日くらいからです。
いまは4つの大輪が咲いていますので、香りも豊かになってきたわけです。
カサブランカに、特別の思い出があるわけではありません。
ただ私も節子も、この花が好きだっただけです。
節子はおしゃれではありませんでした。
香水などにもあまり興味はありませんでした。
私は、節子以上に興味はありません。
そもそも女性の化粧には、むしろ違和感があるくらいです。
化粧しない女性の方が私は好きでした。
最近はそうでもなくなってきましたが。
それでも最初に仕事でパリに行った時に、節子に香水セットを買ってきたのですが、言葉が通じなかったためか、なんと男性用でした。
結局、使われることなく廃棄されました。
それくらい私も節子も知識も関心もなかったのです。
私が、カサブランカの花の香りが好きだと気がついたのは、節子を見送って、しばらくしてからです。
その香りが、なんとなく節子を思い出させてくれるのです。
節子の香りではなく、節子を思い出させてくれる、ちょっと悲しい香りなのです。
香りの中には思い出が込められていることを知ったのも、節子が逝ってしまってからです。
今日は、カサブランカの香りに包まれた部屋で1日を過ごそうと思います。
幸いに今日は、出かけなければいけない用事はありません。
「苦界浄土」を読みましょう。
きっと彼岸がもっと感じられると思います。
電話がなければいいのですが。
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