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2015/01/23

■メアリー・カルドーの提言

イスラム国による日本人拘束事件はまだ解決されずにいますが、この報道を見ながら、昔読んだメアリー・カルドーの「新戦争論」を思い出しました。
副題に「グローバル時代の組織的暴力」とあるように、カルドーは、戦争の概念を拡大し、国家間の戦争とは違った「新しい戦争」が生まれてきていることをとてもわかりやすく説いています。
出版した2年後に、9・11事件が起きていますが、日本語の翻訳がでたのは2003年でした。
そのおかげで、日本語訳には9・11事件に関する小論が付け加えられています。
そこで危惧されていることが、最近のイスラム国の動きをみていると、まさに起こっており、いまもって世界は的確な対応ができていないのではないかと思わせられます。
カルドーの指摘をきちんと受けて対応していたら、イスラム国事件は起きなかったのではないか。
世界は戦争の構図を読み違えてしまっているのではないか。
そんな気がします。

カルドーの指摘を受けて世界をみれば、かなり違った世界が見えてきます。
もしかしたら、今回の事件も起きなかったかもしれません。
安部首相のエジプトでの2億ドル発言への評価も、違って見えてきます。

カルドーの「新戦争論」の「日本語版へのエピローグ」だけでも読むと、世界の見え方が少し変わるかもしれません。
私が昔、メモしていた部分を少しだけ紹介します。

カルドーは、9・11事件をアメリカへの敵対行為としてではなく、「人道に対する罪」と表現しています。
イスラム対アメリカではなく、人道への攻撃と捉えます。
戦いの構図が変わります。
キリスト教徒もムスリムも、一緒になって立ち向かう構図になります。
人道に反する結果を引き起こす空爆行為は、その構図からは生まれないでしょう。

ではどういう対抗策がありうるのか。
カルドーは、「人道の原則に対する主体的関与と人間の多様性に対する尊重」を信条とする「コスモポリタン」のネットワークを育てていくことだと言います。
そして、グローバル化によって疎外され、困窮に陥っている人たちをどう支援していくかにこそ、暴力の連鎖から抜け出す鍵があるというのです。

とても共感できます。
しかし、私がこの本を読んでから10年近く立ちますが、相変わらず「古い戦争」の呪縛の中で、世界はますます暴力にシフトしているような気がします。

世界を捉えるパラダイムを変えなければいけないのではないかと、テレビの報道をみながら思い、カルドーの「新戦争論」を少しだけ、今日、読み直しました。

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