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2015/02/23

■りんごが2つ、みかんが3つ。全部でいくつでしょうか

友人の太田さんが子供の頃体験した話です。
私は何回か聞いていますが、聴くたびに、その深い意味への理解が深まります。

太田さんが子供の頃、学校で、先生がこんな問題を出したそうです。
「ここにリンゴが2つ、みかんが3つあります。さて全部でいくつでしょうか?」
たまたま最初に当たったのが太田さんでした。
太田さんは答えました。
「リンゴが2つ、みかんが3つです」
先生は、次の人に訊きました。
次の生徒は「5つです」と答えました。
先生は、「そうですね、5つですね」とその子を褒めました。
太田さんは正解にしてはもらえなかったのです。
そこから太田さんの素晴らしい生き方が始まったのです。
太田さんは、なんでりんごとみかんを同じものとして数えるのかに不満があったのです。
その太田さんの世界観は、いまもなお健在です。

柳田邦男さんが、知的発達に遅れのある女の子が小学校入学前に受けた知的理解力についてのテストの話を紹介しています(「言葉が立ち上がる時」)。

「お父さんは男です。では、お母さんは何でしょう?」。
おそらく小学校へ入学する前の健常児が百人いたら、百人とも即座に同じ答を言うだろう。「女です」と。
しかし、テストを受けていた女の子は、医師が予想もしていなかった答を言ったのだ。「お母さんはだいすきです-」。
こういう答は、学校教育の中では受け入れられない。
「お母さんは女です」と答えないと○を与えられない。正解とされない。
「だいすきです-」では×なのだ。
案の定、女の子はIQ37と判定され、右の質問の答は×とされたのだ。

学校教育とは何なのかがよくわかるお話です。
こうした教育から抜け出さなければいけません。
しかし、私も含めてたぶん多くの人は、骨の髄までこうした教育の成果を身につけているのでしょう。
安倍政権が支持されるのは、学校教育の成果かもしれません。

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