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2015/03/10

■保険が開くのは平和か戦争か

7日に開催した共済研究会シンポジウムでの感じたことをもう一つ書きます。
いささか過剰に思考を広げた論考ですが。
保険も共済も、自分の仕事をしっかりすべきだとパネリストのおひとりが発言されたことに関連して、思ったことです。
ちなみに、その方の発言にはほぼ完全に共感したうえでの勝手な思いです。

シンポジウムの基調講演で、本間さんは、資本主義はふたたび「戦争への道」に向かっているのではないかと話され、巨大化する保険も、そしてそれに同化しつつある共済も、同じ方向を向いているのではないかと、指摘されました。
そして、そのあとのパネルディスカッションで、大阪損保革新懇世話人の松浦さんが、品川正治さんの「損保はブレーキ産業」だという言葉を紹介しました。
資本主義の暴走を止め、危険を回避する役割が保険にはあるというのです。
品川さんの言葉は、私も保険の意味を考え直す契機になった言葉ですので、その言葉を松浦さんが持ち出したことに共感しました。

しかし、そこで、余計な発言をしてしまいました。
最近の原発再稼働や集団自衛権の動きを思い出してしまったのです。
そこで、この「ブレーキ産業」と「戦争産業」との関係をおふたりに質問させてもらいました。
おふたりからは的確なお答えをもらいましたが、参加者には伝わったでしょうか。
いささか心もとない気がしました。

私の考えはこうです。
もし損害保険業界がしっかりしていたら、原発産業はこれほど広がらなかったといことです。
だれもが知っているように、原発事故は単なる確率論的な計算では考えられません。
保険技術の基本にある「大数の法則」になじまないからです。
ですから再保険の引き受け手はなく、営利保険では対応できずに、国家が引き受けることになります。
しかし、国家とて原発事故には対応できません。
それは今回の福島の事故でだれの目にも明らかになった通りです。
ですから「安全神話」が生み出され、万一、事故が起こった時には、「想定外処理」されることになるわけです。

損保業界が、もし品川さんの言うように、ブレーキ役をミッションとするのであれば、原発事故の持つ意味をきちんと社会に公開し、社会に働きかけるべきでした。
しかし、残念ながら事態は逆を向きました。
中途半端な保険対応により、原発産業はむしろ勢いがついたのです。
そして、福島事故が起こった後も、国家による原子力損害賠償は、原発再稼働を支持し、加速される方向で、事業者保護に向かっています。
これに関しては、本間さんが厳しく指摘していますが、ほとんどの専門家は関心を持ちません。

損害保険産業は、私にはまさに戦争産業に向かっているように思います。
しかし、それは損害保険だけではありません。
保険そのものが、いまや「平和」や「安心」に背を向けだしたように思えてなりません。
私の間違いだといいのです。

メルケル首相と安倍首相が並んで記者会見している姿を見て、思い出したので、書きました。
まだブログがなかなか書けずにいます。

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コメント

独首相来日に合わせて第二次大戦への反省や謝罪の日独比較が隣国やさらにアメリカでも騒がしくなっています。基調はドイツ称揚一色。そこで一言大声で言わせていただきたい。1)ドイツが行なったのは空前の人道犯罪ホロコーストと周辺国への侵略目的無差別爆撃、日本が行なったのは米(大統領)主導の陰謀がなかったら回避された可能性の高い南方進出とそれに伴う植民地解放。同列扱いに怒りを覚える。2)ワイツゼッカー演説をよく読むと巧妙な言い回しの中に反省の心は不在。断言できます。首脳が十字架に跪く行為がキリスト教国にあって共感を呼んだことと比べわが国の謝罪や援助のなんと甲斐がなかったことか。以上、味噌も糞も一緒にすべきではありません。ただ日本人は空気ではなく厳に理性で動かねばならないことは当時も今も同じだと思います。

投稿: 一松 邦安 | 2015/03/10 19:04

一松さん ありがとうございます。
どんな内容であれ「称揚一色」は、私の好みでもありませんし、危険そのものだと思っています。
「政治的」な謝罪や援助にも、私はあまり関心がありません。
ただ、2人がならんでいるのを見て、原発と戦争への姿勢の違いを強く感じました。
理性とはなにかは難しい問題ですが、私には理性に関して、それぞれから正反対のメッセージを感じました。

投稿: 佐藤修 | 2015/03/11 08:17

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